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トラビスは「性格は正常、幻覚性向は見られない」

 さて、11月13日の木曜日、ロレンゼン夫妻は、APROのコンサルタントでカリフォルニア大学教授のハーダー博士とフェニックス空港で落ち合い、トラビスが潜伏するシェラトン・ホテルに向かった。

 トラビスは極度に混乱し、緊張していたので、博士は彼に催眠療法を施した。

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 さまざまな検査も行なわれた。フェニックス市内のあるクリニックでは、11日午後採取したトラビスの尿、13日午後採った血液の検査が進められ、各種の脳波テストも行なわれた。しかし、麻薬またはアルコールの服用を示す結果は、出てこなかった(のちに発行されたAPROの『会報』11月号では、スチュアード博士の医師としての資格まで疑問が呈された。どういうわけかAPROとGSWとは、“UFOの科学的研究”を謳いながら、仲が悪い)。

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 心理学者のカーン博士は、トラビスをテストした結果、「好奇心は強いが暗示にはかかりにくく、正常な性格の持主だ」と診断し、マコーネル博士はミネソタ式多相性格テスト(MMPIテスト)を試みて、「性格は正常、幻覚性向は見られない」と結論を下した。

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