文春オンライン

2019/10/10

genre : ニュース, 国際

Q9. デモ隊が日系企業を襲っているって本当?

――デモが暴徒化するなかで、吉野家などの日系企業の店舗が破壊されていると報じられていますが?

A9. ほぼ事実です。破壊対象になっているのは吉野家や元気寿司などで、資本の上ではほぼ香港企業ともいえますが、いずれも日本の本社はグループ企業として扱っている会社です。香港でのフランチャイズの運営元の美心グループが「親中的」であるというデモ隊の論理のもとで、店舗の破壊がおこなわれています。

 当初、襲撃対象は(デモ隊が「香港を裏切った」とみなした)香港地下鉄だけでしたが、それが中国銀行などの中国系企業、東亜銀行や優品360などの「親中的」な香港企業へと波及し、吉野家や元気寿司、さらに同じく美心グループのスターバックスなどの外資系チェーンの店舗にもどんどん拡大している形です。

10月1日、デモ隊に襲撃された油麻地の吉野家店舗。他の地域では店舗破壊もおこなわれた ©安田峰俊

 例によって日本向けの文宣部隊は「僕たちは日本が大好きです」「フランチャイズ企業は香港企業であり日本と無関係」といったメッセージで火消しを図っています。ただ、これは危険な傾向です。

 なぜなら、デモ隊は破壊行為のたびに「彼らは〇〇だからだ。正当な理由がある」と主張するわけですが、この「正当な理由」の解釈権は彼らにしかありません。ゴールポストがどんどん動くので、今後の情勢次第では、香港に拠点を置き中国内地で工場や店舗を展開している他の企業も狙われる可能性は否定できないと思います。

――たとえばどういった企業のリスクが大きいでしょうか?

 たとえばユニクロや無印良品は現時点では無事ですが、いずれも中国に広範に店舗を展開しているため、デモ隊側の解釈がより過激になれば、いまにやられてもおかしくないでしょう。また、現地の駐在員などがツイッターや微博で、デモ隊の批判や親中国的な発言(日本語でのつぶやきも含む)をおこなったことを理由に、企業が攻撃対象にされる可能性もあります。