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「香港旅行は大丈夫?」「なぜ吉野家も標的に?」今さら聞けない“香港デモ入門・12のQ&A”

2019/10/10

genre : ニュース, 国際

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Q10. 香港に旅行に行っても大丈夫?

――香港は台湾や韓国とならんで、日本人にとっては身近な旅行先のひとつです。現在、香港旅行をするうえで注意点はありますか?

A10. 9月なかばまでは、勇武派が参加する激しい衝突現場を避ければOKでした。航空券もホテル代も安くなっているのでむしろオススメできるくらいでしたが、10月からは情勢がかなり混乱しているので勧められません。

 デモや集会が事前予告なく突発的におこなわれる例も増えており、一般の旅行客が回避するのは難しいものがあります。週末は地下鉄がほとんど停まってしまいますし、現在の香港への不用意な渡航は避けたほうが無難です。少なくとも広東語か英語で普通にコミュニケーションが取れる人や、現地の土地勘がある人でなければ、やめたほうがいいと思います。

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――もしも出張などの際にデモに遭遇した場合は?

 出張者が現地でデモに遭遇した場合は、催涙ガスにまかれたり流れ弾に当たらないよう(殺傷力が低いとされるゴム弾などでも当たりどころが悪ければ失明の可能性があります)、すぐにその場を離れて隣の路地に向かうか、空いている店舗に入りましょう。

 地下鉄は封鎖されている場合が多く、また大型ショッピングセンターの内部でも警官隊とデモ隊の衝突が起きる可能性があるので、飲食店やホテルのほうが安全かもしれません。警官隊には逆らわないほうがいいでしょう。

 いっぽう、デモ隊の行動に抗議したり撮影をした場合でも、中国のスパイだと疑われて暴行を受ける可能性があります。香港の若者はある程度なら日本語がわかる人が多く、対日感情もおおむね良好なので、トラブルのときはまず日本語を口に出したほうがいいかもしれません。普通話(標準中国語)は仮に話せたとしても、話さないのが無難です。パスポートは必ず携帯しましょう。