9割以上は嫁Pがやっています
伊藤さんはこのインタビューの間、なんども「妻のおかげ」「妻がいたから」という言葉を口にした。『イトシンTV』における、嫁Pさんの役割は、どれほどのものなのだろうか。
――そもそもの話なんですが『イトシンTV』では、伊藤さんは出ているだけで、その他、撮影や編集などは、すべて嫁Pさんが行なっているんですか?
伊藤 そうです。嫁Pの存在を明かしていなかったときは「誰が編集をしているのか」とちょっとざわついていたんですよ。始めた当初は、週に6回、それこそ対局の前日とかにもアップしていたので「こいつ頭おかしいんじゃないか」と思われていましたね(笑)。でも今では9割以上は嫁Pがやっているということを、みなさん知っています。
――撮影と編集には、だいたいどれくらいの時間がかかるんですか?
嫁P 動画1本の撮影時間は、だいたい30分くらいで長くても40分ほどです。ただ編集作業は、今は4、5時間かかるようになりました。
――けっこう長いですね。
伊藤 僕が話した言葉を文字起こしして、テロップを入れてくれているんですが、それがけっこう大変なんです。
嫁P 大変だけど、見てくれる人には好評なんですよ。一度、耳の不自由な方から「文字で書いてあると助かる」といったコメントをもらったので、じゃあ頑張ろうと時間をかけてやっています。
どんどん機材が増えていく
――ファンからのコメントは、力になりますね。
嫁P いろんな動画を見ているみなさんは目が肥えていて「サムネが凝っているね」とか「編集の腕が上がったね」とか、褒めて欲しいところを褒めてくれる。時間をかけてアップした動画をそんな風に言ってもらえると、細かいところまで見てくれるんだなとやる気が出ますね。ただ、文字起こして、音もよくして……となると、どんどん大変になっていくし、機材も増えていく(笑)。
――機材は、どういったものを?
嫁P 最初に買ったのは、スマホ用の三脚ですね。次に、ナレーターの友達が「音響がよくないとダメ」というので音響機材を買いました。あとライブ配信をしたとき「顔が暗い」と言われたのでライト。それと『将棋ウォーズ』用にiPadも買いましたね。
伊藤 いろんな人の反応を聞きながら、バージョンアップしている感じですね。友達がアドバイスしてくれるので助かっています。
――将棋の大盤も購入されたんですか?
嫁P 棋士の村中秀史さん(七段)が『むらチャンネル』で、初心者向けに番組を作って、好評を得ているというので導入を検討していたんです。
――ライバル局の動向を意識して(笑)。
嫁P そうです(笑)。そしたら、大盤を持っている人が貸してくださったので使っています。でもこの大盤解説の分は別に撮影するので、また編集が大変になったという(笑)。