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「八王子将棋クラブで35連敗しました」伊藤真吾五段がプロになるまでの過酷すぎた道のり

「八王子将棋クラブで35連敗しました」伊藤真吾五段がプロになるまでの過酷すぎた道のり

チャンネル登録25000人『イトシンTV』突撃インタビュー #2

2019/12/30
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嫁Pはプロとしか指したことがない

――やはり、想像以上に大変なんですね。

伊藤 だから将棋界にも気軽に勧められないんですよ。僕の場合、妻がたまたまできる人だったのでやれましたが、ひとりだとなかなかしんどいと思います。やっぱり協力してくれる人がいないと難しいですよね。

――今、嫁Pさんは《【嫁P】ゼロから始める!将棋道場への道!》という企画に、自ら出演もされていますよね。

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伊藤 『将棋ウォーズ』の実況がどんどん上級者向けになっていて、これはいけないと。そこでわかりやすい「育成系」をやろうとしたのが嫁P企画です。

最近では、大盤も解説に利用している

――タイトル通り、嫁Pさんが将棋道場を目指して、ルールや将棋の基礎を学ぶ番組ですね。嫁Pさんは、将棋はまったく?

嫁P 漫画の背景とかで描いたことはありますが、ルールも怪しい。

伊藤 そんな嫁Pが、最終的には将棋道場に行って、その感想なんかを伝えられたらいいなと思っています。

――嫁Pさんは、まだ、人と指したことがないんですか?

伊藤 僕だけですね。

――プロとしか指したことがない(笑)。

嫁P そうですね(笑)。

「ユーチューバーあるある」は?

 以前、伊藤さんがツイッターで「棋士あるある」をつぶやいて話題になったことがあった。

「同世代意識しがち」「同期曖昧になりがち」「少し優勢な局面でボヤきがち」「対局の後、眠れなくなりがち」といった、棋士の習性を表現したものだが、最後に「ユーチューバーあるある」を聞いてみた。

関東の若手将棋棋士チーム「東竜門」のTwitterより

伊藤 そうですね。「カメラに目線を送りがち」とか(笑)。

――対局の中継でもついカメラを見てしまう。

伊藤 そう(笑)。意識してカメラ目線を送ってしまいます。あと「なにかあると動画制作意識しがち」ですかね。

嫁P ふふふ(笑)。「これで1本、撮れるかな」と、つい思ってしまいますね。

 

――たとえばどんなことで?

嫁P いつも「グラニフ」というブランドのTシャツを着ているんですよ。今度、お正月に福袋が出るので「福袋開封」で1本作ろうかと(笑)。

伊藤 そう! 10年くらいずっとグラニフを着ているんです。将棋のTシャツも出ているんですよ。福袋は7枚のTシャツが入っているらしいので、盛り上がるかな。

――じゃあ、そのうち「グラニフ」さんからCMの依頼があったりするんじゃないですか?

伊藤 いやあ。引っ込み思案な性格なので、自分からは売り込めないんです(笑)。

『将棋ウォーズ』の対局中、熱が入るといつの間にか上着を脱ぐ。このTシャツがグラニフ

 なるほど。ということなので代わりに売り込んでおきましょう。グラニフさん、『イトシンTV』いかがですか? 夫婦二人三脚で制作している、アットホームで楽しい番組ですよ。

取材日に収録された『イトシンTV』の「中飛車vs左美濃!銀の中央突破!?敵玉の桂頭を狙え!将棋ウォーズ実況第137回」

写真=深野未季/文藝春秋

INFORMATION

 小学校時代から書道にいそしんできた伊藤真吾五段から頂戴した「百花繚乱」「雪華」と揮毫された色紙を1名様ずつにプレゼントします。

 プレゼントを希望される方は、文春将棋のTwitterアカウントをフォローした上で、こちらのツイートをリツイートしてください(※応募〆切は、1月6日23:59まで)。厳正な抽選を行った上で、当選者にはDMでご連絡を差し上げます。

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