西山の昇段の条件は?
結果は女流王将と女流王座を奪取し、女王とあわせて三冠を達成。三段リーグも昇段戦線に踏みとどまり、最終日を3番手で迎えた。
現在の状況を改めて整理しよう。画像のリーグ表をご覧いただきたい。昇段の可能性があるのは、11勝5敗の徳田拳士三段まで。西山が四段昇段するには、自身の連勝がほぼ絶対条件。そして、谷合三段の連敗、または服部三段の1敗が必要となる。
三段リーグ17期目の谷合三段は次点をひとつ持つ。今期はすでに次点以上を確定させた。仮に2個目の次点獲得となれば、フリークラス編入の権利を得ることができる。
服部三段は5期目の参加で、昨年は若手の早指し棋戦・加古川青流戦で準優勝した。服部も2個目の次点を獲得すると、谷合三段と同様にフリークラス編入の権利を得る。ただ、フリークラスは10年以内に規定の成績を上げてC級2組に昇級しないと引退になってしまうため、二人とも上位2名の四段昇段を狙いたいところだ。
西山の相手は、ここまで指し分けの横山友紀三段と伊藤匠三段。ともに昇段と次点、降段点の可能性はないものの、来期の順位を上昇させるためには負けられない。
26歳から16歳の若者30人が参加する三段リーグ。西山がつぶやくように残した言葉を思い出す。
「全部なくなっちゃう恐怖があるんで、私も含めて、みんな苦しんでやっていると思います」
三段はみんな戦っている。笑うのは誰か、運命の日を見守りたい。
写真=佐藤亘/文藝春秋