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「世界史は教科書の順番に覚える必要なし」東大理Ⅲに子供4人合格 佐藤ママが教える『コロナ休校を味方につける勉強術』【大学受験篇】

 緊急事態宣言が解除され、3カ月と長かった休校期間がようやく明けようとしています。6月に入れば再開される学校も続々と増えてくるでしょう。しかし、一方で「この休校期間ですっかり生活リズムが狂ってしまった」「授業が始まっても勉強の遅れを取り戻せるのか不安」等々、ため息をつく親も多いのではないでしょうか?

「私が恐れているのは、休校期間中に家でダラダラ過ごした子と、きちんと勉強した子とでは、学校が再開するころには驚くほどの教育格差がついているということです」

 と警鐘を鳴らすのは、息子3人と娘1人を東大理Ⅲに合格させたことで知られ、現在は教育・受験アドバイザーとして活躍する“佐藤ママ”こと佐藤亮子さん。子供たちが東京に進学するまでは、奈良県の自宅のリビングで毎日勉強のサポートをしていた佐藤さんは、「家庭学習はちょっとした工夫ではかどるようになる」「受験生も6月はまだ慌てる時期ではない」と言います。

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 過去3回にわたり休校期間中の勉強法を紹介してもらったこの連載もついに最終回を迎えます。今回は【大学受験篇】と題して、休校期間中にすっかり遅れを取り不安になっている高校生、浪人生に向けて、佐藤ママ流の「今からでも間に合う!」受験勉強法を紹介していただきました。

(全4回の#4/#1#2#3を読む)

”佐藤ママ”こと佐藤亮子さん ©︎文藝春秋

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【ポイント1】カレンダーは2カ月分を並べて貼って、スケジュール管理を!

 最終回は大学受験を控える高校生、浪人生へのアドバイスになります。

 連載2回目の中学受験篇では、休校期間中は1週間に1科目だけに専念する、「算数なら、寝ても覚めても算数だけやる」といった方法をお薦めしました。ただ、この方法が使えるのは小学生から高校1年生まで。大学受験となれば、科目も多く、範囲も膨大なので細かくスケジュールを決めなければなりません。連載第1回で紹介した「親がノートに1週間分の詳細な課題と時間割を書き込んで子供に渡す」というスケジュール管理は、大学受験でこそ最も効果を発揮します。

 もう一つ、大学受験では長期的なスパンでの計画も必要です。特にダラけてしまいそうな、今の休校期間中であれば、より重要になってきます。受験生にとって時間は「一刻値千金」と言われますが、今年ほどこの言葉が身に染みる年はないでしょう。

 そこでお薦めしたいのがカレンダーの活用です。受験生は本番というゴールを見すえて、自分との距離を常に測って毎日を過ごさなければなりません。本番まで「あと何日か?」と、いつも逆算して「今何をするか」を考えることです。1月に受験が目前に迫って「あれもできていない、これも間に合わない」と慌てるようでは、いい結果は出せません。

「週刊文春WOMAN」2020 春号