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——こうした写真を見て何かをしたいと思った日本の子どもたちに、アドバイスをお願いします。
高橋 興味を持ったら、目を向けて調べてみることです。「何だろう?」という興味をふくらませていけば、その子たちが自分で何かができる年齢になったときに、第一歩を踏み出せるのかなと。
海外で会った青年海外協力隊の人に、「どうして来ようと思ったのですか?」と聞いたんです。彼は言いました。「小さい頃に見た映像がずっと自分のなかに残っているんです。勉強しているうちに、どうしても来たくなりました」。
この本の1枚の写真も、見た人の人生を変えることにつながるのだと思っています。
東日本大震災の忘れられない話
高橋 2011年、靴を送ってくれていた宮城県の学校が、東日本大震災で津波の被害にあいました。その1ヵ月後にケニアからマラソン選手のワキウリさんが来日してくれて、一緒に学校へ行かせてもらったんです。少しでも元気を出してもらえたらいいねと。
そのときに、生徒会長が最後にお礼の言葉を伝えてくれました。「僕たちはこれまでケニアの子どもたちに靴を届ける側だった。それが一瞬にして、自分たちも支援を受ける側になった。でも津波が襲った次の日には、僕たちにはたくさんの物が届けられて、靴や服がない生活にはならなかった。
今は僕たちにはケニアの子どもたちに渡すだけのものがない。けれども、こうした被害がなくても靴をはけない子たちがたくさんいることを知っている。だからこそ、自分たちの生活が戻ったら、また靴を渡したい」