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「宴会で顔見せ、気に入ったらそのまま…」三重に実在する“ヤバい島”には消防団も警察も「慰安」に来ていた

『売春島』著者・高木瑞穂氏を「文春オンラインTV」が直撃!

2020/11/01
note

――読者の方も、『売春島』に書かれているエピソードが結構最近の話であることに驚かれています。

高木 2016年の伊勢志摩サミット前まで、置屋も3軒ぐらいありましたから。当時は女の子の半分が東南アジアの子で、半分が日本人。20人ぐらいいたのではないでしょうか。それが、サミットで警察の目が厳しくなって、置屋のオーナーさんたちに聞いたら、「やっぱりもう無理だ」ということで辞めた感じでした。

売春婦たちが暮らしたアパート(著者提供)

――今の状況は?

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高木 今年1月ごろの情報だと、置屋が1軒と、派遣型の置屋が1軒。で、女の子は日本人2人、タイ人2人の計4人だと聞きました。その後、日本人が1人辞めたと聞いたので、いまは日本人1人という状態かもしれません。

――現在は一般の観光客として来られる方はいらっしゃるんですか?

高木 今はメチャメチャ多いですよ。今年1月に、『NEWSな2人』(TBS系)というバラエティ番組で、NEWSの4人が渡鹿野島で島おこしのVTRとかを作ったりして、観光PRをしたんです。それによって、今はジャニーズのファンがいっぱい押し寄せていて、NEWSの聖地みたいになっている。

店舗内に残っていた裏カジの備品の無線機やレートの書かれたプレート(筆者提供)

普通の旅館に泊まって観光してみて

――今はわりと気軽に行ける感じなんですね。

高木 島の人たちも「恋愛成就の島」として観光PRしているんです。

――恋愛成就?

高木 というのも、島を俯瞰で見ると、何となくハートのかたちをしているんですよね。それで「恋愛成就の島」として対外にアピールして、今は売春じゃなく、一般のお客さんを呼び込もうと取り組んでいる。料理もおいしいし、景色もきれいだし。

 NEWSの影響で、ファンはいっぱい行っているのはいいんですけど、NEWSのメンバーが泊まったのが一番島で有名な大型のホテル。ファンたちはみんなそこに泊まっちゃって、他の旅館が全然潤わないという状況なんです。もし、今後行きたい人がいるなら、ぜひ普通の旅館に泊まって観光して、島に平等にお金を落としてあげてほしいですね。

渡鹿野島のメインストリートにあった栄養剤の自動販売機

――今後も高木さんは渡鹿野島の取材というのは続けられるんですか?

高木 そうですね。これからも需要があれば続けたいと思っています。

「文春オンラインTV」の動画は下記のリンクから無料で視聴できる。

「文春オンラインTV #40 三重県に実在する“ヤバい島”『ショート2万、ロング4万……』ベストセラー『売春島』筆者を直撃!」
https://www.youtube.com/watch?v=2z8j-sJB4U4

売春島~「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ~

高木 瑞穂

彩図社

2019年12月17日 発売

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

「宴会で顔見せ、気に入ったらそのまま…」三重に実在する“ヤバい島”には消防団も警察も「慰安」に来ていた

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