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 出会い系サイトで日本人女性と知り合い、メールや電話で恋人関係や婚約者になったかのように振る舞い、何らかの理由で大金が必要になったと相談し、金銭を送金させる振り込め詐欺の一形態だ。オレオレ詐欺などの振り込め詐欺と同様に、被害に遭った場合のほとんどが犯人逮捕となっても返金されることはない。

 警察によって立件されたナイジェリア人不良グループが組織的に関与したロマンス詐欺の一部をあげたいと思う。

【国際ロマンス詐欺疑い逮捕 ナイジェリア人の男ら数人】

 会員制交流サイト(SNS)で外国の軍人らを装い、女性に恋愛感情を抱かせて現金をだまし取ったとして、福岡、埼玉両県警の合同捜査本部は22日、詐欺の疑いで関東在住のナイジェリア人の男ら数人を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。

 このような手口の事件は「国際ロマンス詐欺」と呼ばれ社会的な問題となっており、捜査本部はグループの全容解明を進める。

 捜査本部は22日朝、埼玉県吉川市内の自動車関連会社を家宅捜索した。捜査関係者によると、この会社はグループの拠点で、メンバーは関東一帯で活動していたとみられる。捜査本部が主導的な役割を果たしているとみている男は千葉県に居住し、他に神奈川県に住んでいるメンバーもいる。(2019・1・22「産経新聞」)

【ロマンス詐欺でナイジェリア人の男2人逮捕】

 福岡県警は26日までに、外国軍人らのふりをして恋愛感情を抱かせるなどして金をだまし取る「国際ロマンス詐欺事件」に関与したとして、犯罪収益移転防止法違反の疑いで住所・職業不詳、アナメレチ・ユステス・チディ容疑者(38)らナイジェリア国籍の男2人を逮捕した。一連の事件では既に5人逮捕されており、役割分担を調べる。

 もう1人は千葉県松戸市新松戸、アルバイトのノエ・チケ・ビクト容疑者(29)。逮捕容疑は昨年4月、アナメレチ容疑者がノエ容疑者からキャッシュカード1枚を譲り受けた疑い。県警はカードが詐取した事件に使われた可能性があるとみている。(2019・6・26「サンケイスポーツ」)

実際に被害に遭った40代のケイコは…

 2019年8月、私は実際に、ナイジェリア人不良グループのメンバーだと思われる男性から、国際ロマンス詐欺の被害に遭った女性のケイコ(仮名・40代)から話を聞くことができた。

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写真はイメージ ©iStock.com

 ケイコは北関東の某県に在住する中学生と小学生の子ども2人を持つシングルマザー。元旦那からの養育費は未払い状態だが、ケイコは看護師として働き、経済的にはそこそこ余裕があった。

「昔から男運が悪いんです。前の旦那は仕事を辞めてから、酒浸りで働かずにヒモになってしまって。それで別れました。駄目な旦那でも、いなくなると寂しくて。出会いを求めて出会い系サイトに登録をしたんです」

 だが、その出会い系サイトで知り合ったシリア派遣中の米国軍人の1通のメールが人生を狂わせることになる。

「彼はマイケルという名前で、写真は映画に出てくるようなイケメンでした。とても優しい言葉をかけられて、すぐに好きになってしまいました。1ヶ月程メールを続けていたら、マイケルのことしか考えられなくなりました。仕事をしている時も、子どもと出かけている際もです」

 ナイジェリア人不良グループの巧みなメールテクニックで日本人女性のケイコは虜にされてしまった。