──ちなみに、最初にすべったのはどのようなネタだったんですか。
加賀 僕がご先祖様の霊で、賀屋がお母さん役というネタです。お母さんが赤ちゃんをあやしていたら自分が先に寝ちゃって、ご先祖様の霊がお母さんの代わりに赤ちゃんをあやすという。ご先祖様も赤ちゃんもかわいいし、ほっこりするネタだと思って自信満々で挑んだら、クソすべりました(笑)。
当時は賀屋が年上ですし、先輩だったのでどんまいどんまいと慰めてもらってました。今はもうタメ口ですけどね(笑)。
パワーバランスが変わってきて、今は僕の方が立場が強い
──今は先輩後輩の関係はあるんですか?
加賀 今は全然ですね(笑)。昔、ライブ配信アプリの立ち上げの頃に「ちょっと出てみない?」と声をかけてもらって、配信をやっていたんですけど、賀屋がすごい斜に構えていて全然ダメで。ああいうのって、間合いというか、コメントが大事じゃないですか。なのに、僕がコメントを読もうとすると、賀屋がさえぎって邪魔するんですよ。なので配信が終わった後で、「めっちゃ話しづらかったわ!」と初めて反抗したら、少しずつ立場が変わっていきました。
決定打となったのは、賀屋に誘われた外食です。僕そのときめっちゃお金がなくて、「お金ないから、あんまり外でご飯食べたくないです」と言っていたのに、「絶対おいしいから行こう」としつこく誘われ、賀屋推薦の中華料理店に連れて行かれて。それが、涙が出るくらいまずかったんです(笑)。
800円くらいのチャーハンと餃子ですけど、お金がないから一食一食を大事にしていたのに、なけなしの金で、こんな味の無いご飯に俺はお金を払わなきゃいけないのかと思ったら悔しくて、食べながらマジで泣いちゃったんですよ。お会計の後に号泣しながら、賀屋にクレームしたあたりから、パワーバランスが対等というか、僕の方が立場が強くなった気がします。