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原則3 紫外線対策

 私たちが生活する上で欠かせない、太陽から降り注ぐ光は、体内で必要なビタミンを作るために大切な役割を果たしています。その一方で、太陽光中に含まれる「紫外線」が、肌の老化に大きな影響を与えることもわかっています。紫外線が原因で引き起こされる老化現象のことを、「光老化」といいます。

 肌には、紫外線から身を守る仕組みが備わっています。色素細胞が作り出す「メラニン色素」は、紫外線などを吸収することで、DNA損傷のダメージを少なくします。日光に肌をさらしていると、色が黒くなるのは、色素細胞が新しいメラニンを作るためです。基底細胞の核を、色素の帽子をかぶせるようにして守ることで、太陽光によるダメージから肌を守ろうとする仕組みが「日焼け」です。日焼けによる紫外線防御能は、大体SPF4程度といわれています(*9)

*9 環境省作成「紫外線環境保険マニュアル2020」P.2、p.16

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日焼けにより「肌のバリア機能」が低下する可能性が

 しかし紫外線を大量に浴びると、細胞内で「フリーラジカル」などに代表される「活性酸素」が発生します。活性酸素に対しては、ある程度は体内で処理する機能が働いていますが、喫煙や大気汚染、長時間紫外線に当たるなど、大きなストレスがかかると、処理しきれなくなってしまいます。

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 紫外線によって発生する活性酸素が肌に与えるダメージとしては、DNAの損傷や、真皮層のコラーゲンの減少、またコラーゲンやエラスチンといった、肌の弾力を支えている繊維同士の結合がデタラメになって固定されてしまう、いわゆるシワや、たるみなどの現象があげられます。私たちの肌が、年齢とともに老けた印象になっていくのは、「光老化」による影響が大きいといわれています。

 歳を重ねて生じる「シワ」は、内面の深みを感じさせる「味」として好意的に受け取られる場面も多いですが、「たるみ」が生じると、男女ともに、疲れを感じさせますし、老け込んだ印象を与えてしまいます。若々しく歳を重ねたい人にとって、紫外線は避けるべきものであることが、おわかりいただけると思います。

 また、紫外線、紫外線ダメージはターンオーバーサイクルを速めて、未熟な角層細胞を生み出す原因になります。日焼けにより、最も大切な「肌のバリア機能」が低下してしまう可能性があるということは、意外と知らない方が多いのではないでしょうか。