紫外線の種類
紫外線は、長い波長からA波(UVA315~400nm)、B波(UVB280~315nm)、C波(UVC100~280nm)に分類され、波長が短いほど細胞にダメージを与えます。いわゆる色が黒くなるタイプの日焼けは、A波によって引き起こされ、赤くなるタイプの日焼けはB波によって引き起こされます。日焼け止めのパッケージには、「SPF」と「PA」といった数値の表示がありますが、B波をガードする指標がSPF値、A波をガードする指標がPA値です。
A波のエネルギー自体は、B波の1/500~800と低いのですが、波長が長いために、オゾン層でも吸収されず、地上に降り注ぐA波は、B波の1000倍の量といわれています。またA波は、肌の奥深く、真皮層まで到達して細胞を破壊しますが、B波が引き起こす日焼けに比べると、そのダメージは見た目にはわかりにくいのが特徴です。
一般的に、「光老化」の原因は、A波による影響のほうが大きいといわれています。一方B波は、A波に比べると、肌の奥まで到達することはありませんが、水膨れを伴う重度の日焼けや、皮膚癌の原因になるといわれています。
顔に日焼け止めを塗布することを、ぜひ習慣に
こうした紫外線、主にA波の影響は、屋外で活動する機会が多い幼少期から、徐々に蓄積されていき、日本人では30代くらいからシミやシワ、たるみという形で少しずつ表れてきます。これを防ぐために現時点で最も有効な手立てといわれているのが、「日焼け止め」(サンスクリーン)を肌表面に塗布することです。
肌に長期的なダメージを与えるA波は、冬や曇りの日、夕方、窓ガラス越しの室内など、一見太陽光が少ない時でも、比較的多く地上に降り注いでいます。薄曇りの場合には、紫外線の80%以上が透過するといわれているため(*10)、「綺麗な肌を目指す」という目的の上では、顔への日焼け止めの塗布は、基本的には一年中行うことが望ましいと私は考えています。特に、現段階で肌荒れの症状がある方は、紫外線の悪影響も受けやすい状態ですので、症状の悪化を防ぐためにも、日焼け止めを塗布するのが望ましいでしょう。男性は、日焼け止めを塗るのは、真夏やレジャーの時だけ、という方も多いかもしれませんが、シワやたるみがない、若々しい肌を今後も長く保ちたいのであれば、顔に日焼け止めを塗布することを、ぜひ習慣にしていただきたいです。
*10 *9同
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