五輪開会式の中継がNHKで始まった時に「これはいいぞ……!」と思ったのは『ゆく年くる年』に似ていたからだ。紅白が終わり、しんしんと雪が降る山寺の梵鐘の遠景。「○○村、ただ一つの寺院で、鐘の音が復興の1年を終えようとしています」。静かにカメラが切り替わり川崎大師で大量の参拝客や破魔矢や巨大賽銭箱の景色、いきなり字幕に時報が出て「新しい1年の始まりです」。渋谷の交差点の若者とかもたまに挿入されつつまた山寺。

 夜の国立競技場の、みょうに明るいのに静かな様子を斜め上から静かに撮っているのが『ゆく年くる年』みたいでいい。この調子なら開会式というより番組として見入ってしまうかも。

 と思ったが甘かった。

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『ゆく年くる年』ってすぐ終わるんだ。30分である。開会式は長かった……。さんざん「内容がない、薄い、スカスカ」と文句つけられてた開会式も『ゆく年くる年』の尺に圧縮したらわりとすごかったのではなかろうか。

 という程度にしか五輪番組は見てない暮らしですが、五輪のたびに注目していたことがある。『とくダネ!』の小倉智昭の動向だ。

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 小倉さんは「五輪で日本チームや選手が活躍するかどうかの見極め」がすごく鋭いんですよ。小倉さんが現地まで飛ぶ時、日本選手は確実にいっぱいメダルを取る。行かずにスタジオから応援してる時はボチボチ。オリンピック賭博のハンデ師にひっぱりだこなのでは、というぐらいの凄腕ウォッチャーなのだ。そして、チョイ地味な競技についても「ボクはわりと前から注目してたんですけどね」的に語れる人でもある。

 きっと2020東京五輪をやりきって『とくダネ!』卒業の予定だったろうに、延期のまま番組終了か……。

 と思いながら『めざまし8』を見ていたら小倉さんが出てきた!

 あれほどの凄腕、特別レポーターで出るのか。でもどうも小倉さん様子が違う。

 意気が上がっていない。

 そりゃこんな状況で意気上がれってのも気の毒だが、顔に網でもかぶせたような表情。それでまたわりとすぐひっこんだし。翌日も出てきて「いろいろあったけどここまで来たからオリンピック応援しましょう!」って言ってたが、何か心で泣いてるように聞こえたし。

 開会式終り、土日を挟んで月曜日。さすがにいっぱい出てくるだろうと待ち構えていたらなんと出てもこなかった。そして『めざまし8』は1時間早く切り上げて五輪中継番組になり、それなのに「今から4年前、堀米選手が食べていた勝負メシは?」とかいうクイズやってた。途中でいやになって見るのやめたが、その後に小倉さん出たんだろうか。あ、もしかして、実は小倉さん今回の五輪反対派だったり……しないか。

INFORMATION

『めざまし8』
フジテレビ系 月~金 8:00~
https://www.fujitv.co.jp/mezamashi8/