今日イケるんじゃないみたいな日に限って…
「ところで、泊まりがないってことは、会ってはいるけど、セックスは少ないってこと?」
「ハハハ、学生のときはけっこうしてたんですけど、互いに働き始めるとなかなかタイミングが合わないというか、それで今日イケるんじゃないみたいな日に限って生理、みたいな……やっぱどっちも女性なんで」
「期間が長くなると、精神的なこととか、セックスの内容とかに変化はあったりする?」
「いやあ、そこはお互いに好奇心が旺盛なんで……」
「オモチャを試したりとか?」
「使いますね。誘うときって、だいたい私がして欲しいときなんで、私が攻めてもらってますね。私が攻めたいなってときは、ペニバンを使って向こうに入れたり……」ペニバンはペニスバンドの略。それは互いに使用するのかと尋ねると、彼女は首を横に振った。
「私自身は挿入があまり好きじゃないんで、自分に入れてもらうことは少ないですね」それを聞いた私は、そういえばカオルを以前取材したのは、彼女が“処女風俗嬢”だったからだということを思い出す。
カオルにとっての“処女”
「あのさあ、前に取材したときは処女だと話してたじゃない。その後はどうなったの?」
「あ、失くしましたぁ、フフッ」
「それはさっき話したパパ活でのこと?」
「いや、××(SMクラブ)で働いてたときに、すごい仲良くしてくださったお客さんがいて、その人がすっごい本番したがって、私が冗談で、『辞めるときにやらせてあげますから~、もう言わないでください』って言ってたんですけど、そうしたら辞めることになっちゃったんで、そのことを話したら、『じゃあ、入れていいんだよねえ』ってなって……」
「それは最後の出勤日にってこと?」
「いや、SNSで繫がってたんで、辞める前に伝えたんです。そのとき」
「それで向こうが店に来て、やった、と」
「やった、と、ハハハ」
つまり、前回のインタビューで話していた処女を堅持するとの意志は、その場をやり過ごすための口約束によって、簡単に崩れたことになる。しかし、一旦口にしたことを遵守する姿勢は、彼女もまた律儀というか……。ただまあ、カオルにとって処女というのは、正直どうでもよかったのだろうとも思った。
「相手はいくつくらいの人?」
「えっと、5、60くらいの人」
「一応聞くけど、そのときはなんか感慨はあった?」
「う~~~~~~ん、いやあ、そこまでなかった、ハハハハハ」