異例づくめのオリンピックを総括する、『「東京2020オリンピック」は成功だった? 失敗だった?』アンケート。前編の「開会式」「閉会式」についての結果発表ではどちらも「失敗だった」が過半数を占め、厳しい世論が浮き彫りになりました。後編は「競技」「運営」に対する回答結果を発表いたします。

 日本史上最多のメダルラッシュに日本中が盛り上がる一方で、感染対策の穴がたびたび報じられた今大会。果たしてどのような回答が寄せられたのでしょうか。

野球で金メダルを獲得した侍ジャパン ©JMPA

競技

 東京オリンピックの競技面について「成功だった」という回答は全体の55.4%。「失敗だった」が16.4%、「どちらともいえない」は28.2%でした。

ADVERTISEMENT

「元気をもらった」「日本のメダルラッシュに盛り上がった」といった好意的な意見が多く見られました。スケートボードやスポーツクライミングなどの近年追加された競技も多くの人が楽しんでいることがわかります。

 一方で、日本のメダルラッシュの陰で、炎天下や行動制限などで海外選手がパフォーマンスを十分に発揮できなかったのではと、大会のフェアさを疑問視する意見もありました。

「成功だった」…55.4%

「過去最高の金メダル数と総メダル数だった。とりわけ、競泳の大橋悠依選手の金メダル2つ、卓球の伊藤美誠選手の金・銀・銅メダル計3つには、感動しました」(男性・72)

「日本が意外な種目でメダルを獲得して感動した。MVPはレスリングの須崎優衣。全試合テクニカルフォール勝ちで、1点も取られていない。吉田沙保里より強い」(男性・69)

「野球の稲葉JAPANの金メダルに感動した。また、スケートボード競技で未成年の子がメダルを取ったのにはびっくりした。その他各種目の選手たちがモチベーションをうまく保ちながら参加したのには尊敬に値する」(男性・44)

「卓球の水谷隼・伊藤美誠ペアの試合は、とてもはらはらする試合で見ていて面白かった。スケボーも最年少メダルということで、自分も負けていられないと感じたし、国民も勇気づけられたと思う。これからもアスリートの方々には頑張ってほしい」(男性・23)

「なじみの競技はもちろん、新種目も楽しく拝見しました。スケートボードは、これからの世代のスポーツだと感じ、特に女子の10代の活躍はただただ驚くばかり。経費のことを考えると単純に喜んでばかりもいられませんが、今は感動の余韻に浸っていたいです」(男性・51)

「史上最大のメダル獲得数だけではなく、卓球の混合ダブルスの最後まで目が離せない試合や、BMXなどの新競技が見ごたえがあってとても楽しかった」(男性・17)

「無観客のお陰で選手の息づかいやかけ声など、普段聞こえない音や声がダイレクトに聞こえて臨場感が増して面白かった」(女性・29)

「緊急事態宣言で外出自粛が呼びかけられている中、暑さを避けて家で楽しめる時間を提供してもらえた。無観客にしたことは残念だった。開催するのなら、数を制限してでも有観客にすべきだったのでは」(男性・66)

「近年の日本の8月と言えば、豪雨や酷暑などのアスリートにとっては厳しい環境だ。その様な環境の中にあった日本において、決して大勢の観客がいなくとも素晴らしい結果を残したアスリート達を大いに讃えたいと思う」(男性・45)

卓球の混合ダブルスで金メダルを獲得した水谷隼・伊藤美誠ペア ©JMPA

「選手の大半は選手村では規律よく過ごし、大きな問題も無く、クリニックや食堂でも非常に態度が良かった。ボランティアとしても気持ちよく活動でき参加できた事、光栄でした」(男性・62)

「選手たちは当然ながら本気で戦っていたし、競技後即マスク着用、写真撮影の際やインタビュー時などもコロナ対策がしっかり取られていたと思う」(女性・59)

「コロナ禍での開催の是非について、せめて閉会後には個々の選手たちが肉声で自分の意見をもっと語ってほしかった。競技に全力投球するだけでなく、社会や世界全体の問題にかかわってアスリート個々に精神的な『自立』を求めたい」(男性・68)