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――最後にお客様へメッセージをお願いします。

中澤:開店初日から大勢のお客様に来ていただきありがとうございます。コロナ禍による入店制限の必要もある中、予想以上に多くのお客様にお越しいただき感動しております。近隣にお住まいの方も多く、お越しいただき「がんばってよ」とお声がけくださる方もいらっしゃいます。栃木で祖父から受け継いだ製麺の技術を高め、もっと旨い麺を提供していけるように努めたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。

軌道に乗れば都内にも店を増やしたいという中澤健太さん

中沢製麺のゆでそばを家で食べてみた

 取材が終わるころ、店前には長い行列ができていた。最後に、小山駅「きそば」のゆでそばとつゆを使った「ちくわとむじなのそば」を自宅に戻り食べてみた。ガツンと強いつゆにしっかりした平打ちゆでそば。この味が小山駅の「きそば」である。東京にはなくなってしまった懐かしい味だ。

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小山駅の「きそば」のゆでそばとそばつゆを使った。自作麺は体に染みわたるうまさ

 そばやうどんの製麺は江戸時代後期以降、端境期に麺を食べられるように保存可能な乾麺を作ることから始まった。農家からそばや小麦を仕入れ、製粉し、製麺して乾麺を作って市場へ流通させた。麺産業の分業化がこうして完成した。

 北関東地域は小麦粉やそば粉の生産も多く、江戸時代には利根川などの水運を利用して、江戸に多くの粉を供給した。明治以降、近隣には大手の製粉会社が誕生し、大衆麺を作る製麺業が早くから普及した。そんな栃木の麺を東京で食べることができるようになったのは大変ありがたいことである。令和の時代に町の製麺所が復活したような雰囲気もある。一度足を運んでみるのも楽しいかもしれない。一度行くと麺ワールドにどっぷり浸ることができ、また他の麺が食べたくなることは間違いない。

INFORMATION

 

東京なまめん なかざわ製麺
住所:東京都豊島区南大塚2-41-7 勉強堂ビル1F
営業時間:10:00~20:00
定休日:日