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《愛知》一隆堂
山吹色の缶に茶色いたぬきという、ミニマルデザイン。それだけにどこにあっても目を惹く。「一隆堂」は、徳川家康が生まれた愛知県岡崎市にある。そのため“たぬき親父”と言われた家康公をモチーフに、2012年店舗改装記念としてこの缶を作った。あまりに愛らしい征夷大将軍は人気となり、今では定番品となった。
《三重》日の出屋製菓
創業64年になる湯の山温泉名物「湯の花せんべい」。このエポックメイキングな缶は、デザイナーではなく創業者であった現店主の祖父と印刷会社の担当者がデザインを手がけた。祖父はなぜかピンクを使用することにこだわったという(家族も理由はわからないらしい)。これが1950年代に生まれた奇跡。
《大阪》太郎フーズ
道頓堀のランドマーク「くいだおれ太郎」。一切の躊躇なく、“太郎”を引き立たせる、いさぎよき缶。黄色い「くいだおれ太郎サブレ」は10年以上売れ続けるロングセラー商品。“太郎”の顔型をした“ボールチョコ缶”は、この主張の強さがたまらない。大阪式美学を感じる。
《大阪》一創堂
缶に描かれているのは「なにわちょろけん」。「ちょろけん」とは江戸時代、門付け芸(かどづけげい/大道芸の1つで各家をまわり、玄関先で芸を演じることで、その家に福をもたらすと言われた)としてなにわの人々に愛されたキャラクター。元祖ゆるキャラだ。大阪弁の「ちょける(おどける・ふざける)」は“ちょろけん”が語源とも言われている。しかし明治以降廃れ、姿を消した。それを一創堂店主が現代風にアレンジし、「なにわちょろけん」として再生。大阪土産の代表的な存在となった。