——真鶴だと、気持ちも穏やかになりますか?
アンナ 母はイライラしてることがあると思う(笑)。都会が大好きだから。でも、太陽を見てられる、海を見てられる、山を見てられることに、私はイライラしないから。窓を開けたら隣のマンションみたいなほうがダメ。
せっかくここに住んでるんだから、半径10キロや20キロになにがあるのかを知りたいなと思って探索していて。いまは、それが楽しい。ここから車で30分くらいで、箱根に行けちゃうし、美味しいご飯屋さんもあったりするんですよ。
『梅宮家の秘伝レシピ』1品目は、大胆すぎる「レタス丼」
ーー『梅宮家の秘伝レシピ』についてもお尋ねしたいのですが、1品目が「レタス丼」というのは非常にインパクトがありました。「まさかのレタス?」と驚きつつも「美味しそう」に感じられるという。
アンナ 簡単でお金の掛からないものを最初に持っていこうと思ったの。私もいままで料理を作ってこなかった人なので、そこは大事だなって。
お料理本って、結構読んではいたんですよ。料理しようとページを開くけど、料理ができる人に向けて書かれているものが多くて、なにを言ってるのかわからない。小さじ1杯が、すでにピンとこないから。そんな私みたいな人にも向けて、料理一品ごとに関連する梅宮家や、父のエピソードも紹介できるような内容にしたくて。
その考えを理解してくれる出版社をずっと探していたら、主婦の友社さんが乗ってくれて。「レタス丼」を最初に持ってくるのも、考えが一致しましたね。
——「お料理って、すごく楽しい」と思えたと書かれていますが、このまま辰夫さんのレベルになってしまいそうな予感は?
アンナ どうかな。何をもってレベルが高いとするかって人それぞれだから、レベルというよりも、父がやらなかったこと、やれなかったことをやりたい。お料理ができなかった私が、お料理ができない人に教えるというところまで持っていきたいです。
ただ、教えるだけじゃなくて、生徒さん5人くらいとワイワイと話しながらお料理して食べるみたいなね。父は料理教室的なことはやらなかったので、私がやれたらなって。