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海外大学進学シフトはこれからも加速していく

 研究の質や教育の質に開きが出てしまう理由の一つに予算の違いを挙げる事ができるだろう。たとえば、東京大学は学生数約2万8000人に対して約2000億円の教育・研究予算を使っている。一方で学生数が4000人少ない約2万4000人の学生が所属しているハーバード大学は約5200億円の予算を準備している。東京大学よりも学生数が少ないにもかかわらず、予算は2.6倍なのだ。ちなみに、東京大学の教員の平均年収は約1000万円だが、ハーバード大学は約2500万円である。優秀な研究者や教授が世界のトップ大学に集まる理由をお分かり頂けると思う。素晴らしい教授陣や研究・教育環境を求めて、世界中から優秀な学生が集まる事も海外大学の魅力だろう。

 海外大学進学シフトは着実におこっているが、日本の学校教育が海外進学に適していない難点は残る。たとえば、日本の一般の高校の卒業資格だけでは英国やヨーロッパの一部の大学への出願要件を満たさないのだ。日本のカリキュラムはこれらの国では認められていないため、直接大学に進学できず、場合によってはファウンデーションコースという準備コースで1年学ぶ必要がある。また、課外活動に取り組む時間が非常に限られている事も難点の一つだろう。

 海外進学塾を展開している弊社がオンラインのインターナショナルスクールCrimson Global Academyを始めた理由もここにある。今の学校に通いながら国際的なカリキュラムで学習し、世界のどの国の大学への出願要件でも満たす事ができるのだ。また、課外活動の機会をたくさん準備しているので、しっかりと課外活動に取り組み出願準備を進める事ができる。開校して一年半だが、あっという間に生徒数が600名を突破したことからも海外進学シフトを実感することができる。

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 海外大学進学を目指すことで、子供達は自立していく。しっかりと目的意識を持ち、課外活動に取り組むことを通して、リーダーシップや課題解決能力を身につける。海外進学が当たり前の選択肢になるのには時間がかかるが、この教育効果を実感できる人が増えていることを考えれば、海外大学進学シフトはこれからも加速していくのではないだろうか。

◆このコラムは、政治、経済からスポーツや芸能まで、世の中の事象を幅広く網羅した『文藝春秋オピニオン 2022年の論点100』に掲載されています。