チャンネル登録者数50万人超、総再生回数9000万回超。釣りYouTuberとして絶大な人気を誇るマルコス氏。

 そんな彼女の生い立ち、会社員時代、はじめての釣り、世界で釣りをするようになるまでをまとめた冒険譚エッセイ『世界を釣る女』(KADOKAWA)がファンの間で大きな話題を呼んでいる。

 ここでは同書の一部を抜粋し、彼女が全身全霊をかける釣り、そして配信への思いについて紹介する。(全2回の2回目/前編を読む

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マルコス氏

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ありがたいリスナーさん、困ったリスナーさん

 生配信のリスナーさんがリア凸のために集まってくれるのは、旅の最中の楽しみの1つだった。昼の生配信中にコメントを入れてくれて、夜のリア凸の際に会いに来てくれるのだから、本当にありがたい限りだ。

 全国各地でリア凸をしたが、ほとんどの場所で誰かが必ず来てくれた。

 場合によっては、夕方の5時ごろにやっと釣れて、急遽「夜の7時に〇〇駅にいます」と伝えることもあった。それでも、会いに来てくれる人がいる。

 リア凸は、釣りをした都府県を去る直前に行っていたので、バスが釣れないとできない。期待して待ってくれている人がいるのに、なかなか釣れず、リア凸ができなかった日もあった。それでも毎回、最低でも1人か2人は来てくれる。多い場合だと30名くらいの人が集まってくれたこともあった。

 

 その一方で、リア凸を終えようとしているのに、いつまで経っても帰ってくれない人や、私の車のあとを追いかけてくる人もいた。

 その様子を生配信で映していると、ほかのリスナーさんたちが心配してざわつくこともあった。よく、「1人で怖くないの?」と聞かれるが、配信しているときは、何百~何千人の人たちと一緒にいると錯覚してしまう。

 そのため、誰が来ようとも全然怖くない。たまに配信中に1人で大声で歌ったりもする。そんなときは、私からすると「皆と一緒だから、ちょっとパフォーマンス」という謎のモードに入っている。

 こうなってくると、怖い、恥ずかしいという感覚はなくなる。

 リスナーさんたちは私にとって心強い存在であり、私はしょっちゅう助けられている。

 

 配信中に来てくれるリスナーさんあるあるに、実際に会いに来てくれているのに、実物の私を見るのではなく、スマホの画面のなかの私を見てしまうというのがある。こちらが話しかけても、ずっと配信を見ている……。

「そんならわざわざ来なくてもええやん」と突っ込みたくなるくらい。

 もしかしたら、恥ずかしがっている人が多いのかもしれない(笑)。