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《人気YouTuberの本音》リスナーさんたちは私にとって心強い存在、それでも… 女性アングラー・マルコスが明かす“困ったリスナーさん”の正体

《人気YouTuberの本音》リスナーさんたちは私にとって心強い存在、それでも… 女性アングラー・マルコスが明かす“困ったリスナーさん”の正体

『世界を釣る女』より #2

2022/01/20
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YouTuberになりたいわけではなかった……

 まあ、こんな性格なので、普通の会社で何年も仕事をするのはいずれにせよ向いていなかっただろう。それでも専門学校のあとに、アパレル会社で何年も働き続けられたのは、その会社が変わっていたからだと思う。

 そう考えてみると、遅かれ早かれ、YouTubeをやっていた可能性はある。

 

 そうは言っても、最初はYouTuberになりたくてYouTubeを始めたわけではない。魚釣りにハマり、自分の釣果記録として熱中しただけだった。言ってしまえば自己満足のようなもの。確かなのは、ツイキャスやYouTubeを抜きにしても、釣りだけは続けているだろうということだ。

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 最初は自分のための記録として撮影をしていたYouTubeだったが、幸い、多くの方たちに見ていただけるようになり、登録者数が10万人を超えたあたりからは、活動の幅も広がっていった。

 

 動画で私を見ている人たちからは、「マルコスは人見知りしないね」とよく言われる。

 動画を撮るときは、皆の前に出る前提なので、自然とテンションが上がってしまう。

 ところが、私はめちゃくちゃ人見知りなのだ。

 しかし、引っ込み思案では動画は撮れない。

 生配信やYouTubeの撮影をする際には、カメラのスイッチを押すのと同時に、自分のなかのスイッチも入り、人見知りの自分から社交的な自分に変わっていく。これを繰り返しているうちに、人見知りで引っ込み思案の性格も少しずつ変わっていったような気がする。

 今でもまだ、私のなかには人見知りの部分が残っているのは確かだ。それでも「スイッチを切り替える」ことが以前よりも上手になったせいで、人見知りを乗り越えて、初対面の人とも落ち着いて話ができるようになってきた。

 

 バンドをやっているときに、人前で歌うことにプレッシャーを感じてしまったのも、「人見知り」という自分の性格が大きく影響していたのだと思う。

 バンド時代は意図的に、スイッチを入れて普段とは違う自分を表に出していたので、今思うとそれが練習になっていたのかもしれない。そして徐々に、勢いに乗じて自分をさらけ出すことの楽しさに目覚めていったのではないだろうか。そのおかげで、人見知りの側面はだいぶ弱くなってきた。