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まるで海上の要塞

 一般的な波止は平たく横長の造りだが、こちらは階段や異世界へ繋がりそうな空間が各所にあり、施設というよりはまるで「要塞」。ゲームに出てくる「ラスボスのステージ」のような無骨な建造物であった。

まるで要塞のような伍八波止。内部には複数の「部屋」も ©山元茂樹/文藝春秋

 男の子の冒険心を駆り立てるには十分すぎる造りの真相を知るべく、こちらも担当者に尋ねてみると、以前に陸から海底トンネルを敷いて釣りや養殖に関係する施設を作る計画があったそうだ。その計画はなくなってしまったようだが、県内屈指の大物釣り場として今では多くの釣り人に利用されている。

伍八波止。塔のような構造物がある ©山元茂樹/文藝春秋

 沖堤防釣行は、ここを中心に行うことにした。

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ヒラマサチャレンジ

 島根県釣行の目的は「イシダイ」と「ヒラマサ」。私の普段の釣りスタイルからかけ離れたターゲットではあるが、釣り人として大きな魚への憧れは常に抱いている。

 イシダイは前回の記事でも紹介したが、広島の伝統釣法かぶせ釣りで釣ることができた。

 次は関東でめったに釣れないヒラマサ、これもお土産に持って帰りたい。1mほどまで成長する大物だ。

 雨の中、渡船で波止へ向かった。

 島根遠征最終章、ラスボスのステージ感満載の波止でヒラマサを狙う!

 オカッパリ釣り場の閑散とした様子とは違い、平日でも沖堤防の利用者は多く、波止に着いた途端場所の争奪戦が始まった。常連方の勢いにたじろいでしまい鉄板と言われるポイントには入れなかったが、ヒラマサの回遊に当たるのは運次第だろうと気楽にかまえていた。