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実験的な「キワモノ車両」も見どころ

 チューニングされたスポーツカーや、ドレスアップしたスーパーカーが並ぶなか、毎年独特の空気を放つのが、「キワモノ」的な車両が並ぶ自動車大学校のブースである。

群馬自動車大学校・東京自動車大学校の「デコキャリ」

 商業的な観点抜きに製作された車両は、実験的な取り組みの成果物として、なんとも怪しいオーラを放っている。それぞれの車両には、学生の好奇心や熱意の痕跡が刻まれているようだ。

日本自動車大学校のブースにはアニメなどの創作をモチーフにした作品が複数展示されていた

 学生の専門分野や関心領域によって、カスタムの方向性もさまざまだ。アニメの再現車両をはじめ、ボディの大胆な改造や、構造部分の大規模な改変、内装製作など普段は決してお目にかかれない類いの車両が展示される。

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関東工業自動車大学校の展示車両に設置された鴻巣雛

 関東工業自動車大学校は、伝統工芸品「鴻巣雛」で知られる埼玉県鴻巣市とタイアップし、地元PRも兼ねた「Hina doll car with KANTO」を製作。派手な車両が並ぶ中、車中にひっそり佇むひな人形が、異様ともいえる存在感を放っていた。

ド派手な「内装カスタム」も

 出展車両のなかには内装まで手を加えたものも見られるが、内装を専門として扱う出展者はそう多くない。そうしたなか、独特の内装で目立っていたのがL-TIDEだ。オーナーの求めに応じ、シートやステアリングはもちろん、ダッシュボードから天井、フロアまでオリジナルの仕様に張り替える。

内装を全面的に張り替え、個性的なカラーに変貌したL-TIDEのエリシオン

 照明やオーディオまわりのカスタムにも対応し、「自分だけの空間」をさまざまな形でオーナーに提供する。

怪しい照明に包まれるプレジデントの内装

 なかには「内装のカスタム費用が車両価格を超えているのではないか」と思える車両も見られる。実際のところ、運転中に目に触れるのは内装であるから、「外へのアピール」よりも「自分なりの満足」を追求するのは理に適っているのかもしれない。

出展車両に付けられた驚きのオークション価格

 大規模イベントならではのタイアップ企画も、オートサロンの特徴である。「頭文字D」で知られるしげの秀一氏の最新作「MFゴースト」の世界観を形にしたGR86や、2022年公開予定の映画「ALIVEHOON(アライブフーン)」で使用されたシルビアが会場のコンコースに展示される。

映画「ALIVEHOON」作中に登場するS15シルビア

 さらに東京オートサロンとヤフオク!がコラボし、展示車両をYahoo!オークションに出品する企画も実施された。全日本ツーリングカーレースの参戦車両「TAISAN GT-R」や、全日本GT選手権に出場した「TAISAN F40」などが話題を集めた。

オークションに出品される「TAISAN GT-R」。エンジンはノーマルに換装されているが、大部分はレース仕様のままだという。落札価格はなんと3500万円超