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「正解を教えてよ」とプロデューサーに冗談で言ってみたら…北野大(79)が振り返る『クイズダービー』、他の番組との“決定的違い”

「正解を教えてよ」とプロデューサーに冗談で言ってみたら…北野大(79)が振り返る『クイズダービー』、他の番組との“決定的違い”

北野大さんインタビュー#2

2022/02/05
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ーー印象に残っている問題はありますか?

北野 よく歌詞の抜けた部分を当てる問題があって、「母さんの匂いのする○○○」の○○○はなんだというものが出たんです。私は母さんの匂いったら、石鹸かオッパイだと思ってね。

 オッパイと答えたら、正解は絣(かすり)。織物の名前ですね。こっちは、おふくろが絣を着ているイメージなんてなくて。巨泉さんには「おい、母親ってのは体のあちこちにオッパイついてんのか」って笑われましたけどね。

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ーー絣という漢字が、すでに読めません。

北野 考えれば考えるほど的外れなことを言って、巨泉さんに笑われましたね。

圧倒的な正解率…はらたいらの“不敵な一言”

ーーゲスト回答者で印象的な方というのは。

北野 いまでも覚えているのは、ガッツ石松さん。彼は私の名前、北野大を「オオノペイ」って右から左に読んだんですよ(笑)。これには驚いたし、もうおかしくて。

 

ーー3枠のはらたいらさんはいかがでしたか? 圧倒的な正解率の高さを誇られていましたが、現場でも凄まじい知性みたいなものを感じましたか。

北野 はらさんは、正解した後に「知ってました」とよく言っていたんですよ。その言葉が、非常に印象に残っていますね。

 当時、はらさんは東京新聞で4コマ漫画を連載していたんですよ。だから、時事的なものを筆頭に、ネタになりそうな情報や知識を片っ端から集めていた。その取材力の賜物ですね。あと、漫画家だから、どことなく回答のなかにもユーモアのセンスを感じましたね。

 本当はね、はらさん本人が問題を作っていたんですよ。だから、いつも正解できていたんです。

ーーえ?

北野 すみません、冗談です。これは弟がギャグで言っていたんですけどね。「はらたいらがやたらと正解できるのは、自分で問題を作ってるからだ」なんてね(笑)。

素人イジりは絶対にしない…大橋巨泉のポリシー

ーー回答者それぞれの個性も際立っていましたが、それを束ねる巨泉さんあっての『クイズダービー』でもありました。

北野 あの人は横柄な人だとか、いろいろ言われていましたけど、横柄というよりも厳しい人だったんですよ。でも、巨泉さんは素人のお客さんに対しては、ものすごく礼儀正しくて、しっかりと敬意を表して接するんです。

 テレビって、平気で素人さんをイジったり、笑いものにしたりすることがあるじゃないですか。それだけは絶対にやらなかった人ですね。現場にいるプロにはプロとして向き合うから、厳しくなってしまうんですよね。