「撮ってもいいけど、足は閉じなさいよ」
インリン 父が日本に遊びにきたときに、「今、こういうことをやってるんだ」と言って、私の作品、セクシーに写っているものを見せたんですね。たぶん父からしたら、自分の娘のことなので恥ずかしかったと思うんですけど、でも意外にも、「自分でやりたいことを見つけて、自分で選んだんなら、その世界で1番になればいいんだ」って言ってくれたんです。
写真に対して否定もしなければ、どんどんやって欲しいという感じでもなかったんですけど、「もう大人になったんだし、自分がいいと思ったことをやって、信じて進んでいけばいい。その中で自分の世界が出来て、自分の位置が確立すれば、それで成功なんだよ」って言ってもらえて。あぁ、なんかホッとしたなぁって。
――認めてくださったんですね。その後、他のご家族の反応はいかがでしたか?
インリン 母は父がいいって言うなら、本当は嫌でも仕方ないかって感じでした。一番厳しかったのは、やっぱりおばあちゃんですね。今はもう亡くなったんですけど、本当に古風な人で。
おばあちゃんにも写真を見せたんですけど、たぶん仕方なく、今さら取り返しがつかないじゃないですけど……(笑)。それで、ちょっとため息をつきながら、「写真は撮ってもいいけど、足は閉じなさいよ」って。私はけっこう開脚のポーズが多かったので、もうちょっと足を閉じて綺麗に撮れないか、とはすごく言われました。
グラビア黄金期だった“あの頃”
――ご家族への報告が終わってからは、改めてグラビアモデルとして本格的な活動が始まったのではないかと思います。いま振り返ってみて、その頃のグラビア界はどんな雰囲気でしたか?
インリン 当時はグラビア黄金期というんですかね。写真集とか、雑誌の撮り下ろしでも海外に行けたんです。スタッフの皆さんと一緒に行って、撮影をして、おいしい物を食べて、空いた時間に買い物したりとか、観光したりとか。撮影のついでではありますけど、そういうことができたのはすごく楽しかったです。
――どんな国に行かれたんでしょうか?
インリン アジアが多くて、タイとベトナムと、中国にも行きましたね。あと、オーストラリア、ロシア、ハワイとか。一回行くとだいたい2泊3日とか3泊4日で、撮影を2日間やったら、そのあと1日だけオフにしてもらったり。
――その頃、インリンさんと同時期にデビューしたグラビアモデルというと、どなたになるんでしょうか?
インリン 私は同期の方が多かったんですよ。ほしのあきちゃんとか、熊田曜子さん、小倉優子さん、若槻千夏ちゃんとか。あと安田美沙子さん、磯山さやかちゃんも同期です。
――そういう方と集まったり、一緒にご飯に行ったりすることも?