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階段国道に目を奪われがちだが、路地国道というのも非常に珍しいので、併せて見学しておきたいポイントだ。そしてスタートから15分ほどで、短い階段国道の旅は終わった。
なぜ階段が国道に指定されたのか?
そもそも、なぜこの階段が国道に指定されたのか。実は、その経緯ははっきりと分かっていない。1974年に国道339号として指定された時、この区間の上部に小学校、中腹に中学校があった。当時、中学校より下は階段だったが、その上は階段ではなく坂道で、主に通学路として利用されていた。
当時は青函トンネルを造っている真っ最中で、工事の関係で町に住む人も多く、小学校の児童数は100人を超えていた。しかし、トンネルが完成に近づくと町の人口は激減、中学校に次いで小学校も廃校となってしまったのだ。
国道339号を指定するにあたり、この区間だけ車道が途切れていたが、ルートが分断されないように、とりあえず階段と急な坂道も含めて国道に指定してしまおう――。そんな経緯だったといわれているが、正確なところは定かではない。
その後、坂道だった上半分も歩きやすい階段に整備された。自動車が通行できるように拡幅する計画もあったが、なにぶん地形が急峻で土地も狭く、麓には民家が密集していることから断念。
そうこうしているうちに日本で唯一の階段国道として有名になり、地元からも、いっそのこと観光地にしたらいいのではないか、という声が上がり、現在に至っている。