海の魚も植物を餌にしている
また海水の魚でも植物を餌にする魚が存在する。もっとも身近な魚ではメジナがそうだ。メジナ釣りの代表餌であるオキアミを使って漁港のスロープで釣りをしていたところ、フグばかりが釣れて一向にメジナが釣れない。そこでスロープに生えたアオサを試しに餌にしてみると……あっさり釣れた。しかも、同行者含めて3匹立て続けにだ。
アオサはメジナ釣り師の中では当たり前に使われる餌であり、「ノリメジナ」という釣法が確立されている。しかし、この釣りを知らない人からすると、足元に特餌があるなんて思いもよらないだろう。
餌取りであるフグを避けることもできるため、仕掛けの回収時に付け餌がまったく残ってこないときにも有効だ。またベジタリアンというには大げさだが、他にもブダイなど時期によっては海藻を偏食する魚も存在する。
アオサの採取を禁止している地域もあるので、釣りをする際は各都道府県の漁業調整規則を調べていただきたい。
果たして野菜で魚は釣れるのか
私は週3、4日釣りを行うので、常に安くて釣れるコスパの良い釣り餌はないかと考えている。その候補として挙がったのが野菜だった。例えば、もやしなら20円で購入でき、大根も100g約10円程度なのでイソメと比べると破格である。
釣り業界に革命を起こす餌を求めて、野菜の釣り餌検証を行った。
まずはもやしのちょい投げ釣りから。
そのまま針に掛けようとすると、シャキシャキ感が売りのもやしではイソメのように通し刺しできないので餌持ちが悪い。無理矢理刺して投げてみてもアタリは得られず、誘いを入れてアピールさせても無反応であった。革命とは一体……。
ここで諦めず、「検証その2」としてアミノ酸濃縮液に漬け込んでみた。
アミノ酸は、魚の味覚や嗅覚を刺激して摂餌欲を高めるとされている。釣り餌としてメジャーなオキアミやゴカイ、アサリにはもちろんアミノ酸が含まれている。添加剤に漬け込んだ野菜で魚は釣れるのか? 少し強引だが検証してみることに。
押江込蔵に半日漬け込んだもやしがコチラ。
シャキシャキ感のあったもやしは水分が抜けて萎びてしまった。しかし漬け込むことで下記の効果が得られた。
・もやしに柔軟性が生まれ餌付けが楽になった
・黄色く着色され存在感が増した
・アミノ酸が添加され強化もやしになった