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 絵的にも面白いし、「私みたいな三流のカメラマン、しかも50を過ぎた、きれいでもなんでもないオバハンが、ヘルムート・ニュートンのパロディをやるってどうよ?」みたいないたずら心がうまく出せましたね。 

『罪(immorale)』(1993年)のパロディ作品(マキエマキさん提供)

ーー直近のものでは? 

マキエ 今度の大阪展のメインビジュアルにもなっている、つげ義春さんの「ねじ式」のパロディですね。 

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 昔からつげ義春さんの漫画がすごく好きで、つげさんをテーマになんかやりたいなとうっすら思っていて。ただ、著名な方ですし、つげさんの名前に乗っかってやってるように見られるのもなんか嫌だなと。 

 でも、コロナ禍でいろいろと閉塞的な気分になっていたことの反動もあって、「どうせならやりたいことやっちゃえばいいじゃん」って思って、つげさんをテーマに撮り出したんですね。他にもつげさんの漫画の舞台になった場所でロケをして。それで「マキエ式」と銘打った大阪展をやるんですよ。 

「ねじ式」のパロディ作品(マキエマキさん提供)

マキエマキとしての“今後”

ーー今後、マキエマキとしてやりたいことや進みたい方向はありますか。 

マキエ フランスで個展をやりたいですね。私がフランスを好きなのもあるんですけど、あちらでは日本の漫画やサブカルがすごく人気があって。丸尾末広さんとかが好きなコアな層がけっこういると感じたので、受け入れてくれるんじゃないかなと。 

ーー作品的にはどうですか。たとえば被写体を、他の誰かに代えてみるなど。 

マキエ そこはあまり決めてないですけど。自分だから面白いんだな、というのは感じてますね。 

 実際、ほかのモデルさんだけで撮った作品をグループ展に出したんです。そうしたら「このモデルさんもいいけど、やっぱり自分はマキエさんを見たい」とおっしゃる方が多くて。だから、よっぽど引きのあるモデルさんじゃないと、私には勝てないんだなと思ってます。 

ーーその“引き”とは、つまり熟女であると? 

マキエ いや、あくまで私という被写体。自分で考えていた以上に、マキエマキに引きがあるんだなって。

 

写真=釜谷洋史/文藝春秋

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。