文春オンライン
「先取りしすぎた」タワマン、“27億ション”…バブル時代の「スペシャルすぎるマンション」

「先取りしすぎた」タワマン、“27億ション”…バブル時代の「スペシャルすぎるマンション」

伝説マンションBEST45 第5回・1980年代「バブル」編

2022/06/25
note

30 一番町ハウス(1980年/住友不動産)

「一番町ハウス」(千代田区一番町)は住友不動産が分譲、熊谷組が施工した総戸数31戸の邸宅型マンション。平均分譲価格は1億2700万円、平均坪単価は355万円である。19戸が100㎡以上、中でも150㎡前後の住戸が14戸あり、「邸宅型マンション」と呼ぶに相応しい物件となっている。

一番町ハウスの外観(2015年8月撮影)

 もちろん「品等」においても“最高級”。この時点で“最高級”とされたマンションは「一番町ハウス」を含めて6物件であるが、うち3物件は千代田区一番町に立地していることになる。総タイル張りの重厚な外観は、これぞ超高級マンションという威厳すら感じるものだ。三田綱町パークマンションとは異なる中低層(7階建て)の高級マンションのスタイルを作った物件である。

一番町ハウスの間取りには、今でいう「ウォークインクローゼット」が

 ここでは、専有面積が155.75㎡と本物件最大のB1タイプの間取りを示した。13畳の洋室にはウォークインクローゼットが配置されている。表示は「クロゼット(クローゼット)」となっている。まだ「ウォークインクローゼット」という言葉が一般的ではない時代だったからだ。

ADVERTISEMENT

 現在でも立地の良さから高値となっており、155㎡の住戸が2億円程度で売り出されている。坪単価は480万円前後で、近年では年々価格が上昇している。