遊園地の花形といえば、観覧車である。遊園地を訪れた際、観覧車だけは必ず乗るという人も多いのではないだろうか。しかし、日本に現存するおよそ140基の観覧車は、施設の閉業や老朽化により、その数は減少傾向にある。
観覧車の歴史は1893年シカゴ万博で建設された巨大観覧車、フェリス・ホイールから始まった。日本最古の観覧車は1906年、大阪・天王寺で開催された日露戦争での勝利を記念した、戦勝記念博覧会に登場する。1990年ごろから国内では巨大観覧車ブームがあり、各地で世界最大を競い合っていた。
お台場名物の大観覧車も営業終了に
その最中に造られたもののひとつが、お台場のパレットタウン大観覧車だ。1999年に造られた当初、高さ115mは世界最大であった。東京の街を見渡せる眺望の良さからデートスポットの定番と紹介されてきたが、パレットタウンの再開発に伴い、2022年8月31日で営業を終了する。
人気と知名度を誇り、街のシンボルとして長年活躍してきた観覧車だけに、思い出深い人も多いのではないだろうか。
観覧車があれば乗らずにはいられない私が、気づいたときに乗っておきたい、記憶に残る個性的な観覧車を写真とともに紹介する。
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函館公園こどものくに 観覧車(北海道)
現存する日本最古(1950年)の観覧車は、函館公園こどものくににある。もともとは函館市の隣、七飯町にある大沼公園に設置されたものを、1965年に函館公園へと移設したものだ。枠組みが八角形をしているのも珍しいが、なによりゴンドラの形が長椅子式であるのは、日本の観覧車ではここだけである。
さらに進行方向に乗り口があるため、乗降時は必ず観覧車が一時停止する。ゴンドラは1つにつき2人までしか乗れず、乗り込んだあと安全バーがおろされると再び観覧車は動き出す。窓のないオープンエアタイプのゴンドラは、景色や風をダイレクトに感じることができ、一般的な観覧車に比べ、スリルと楽しさが倍増。高さ12m、一周およそ4分と小さいが、頂上からは函館の海も見ることができる。