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──では、第2弾の応募は豊富町だけだった? 今はプロジェクト公式サイトに「応募多数のため新規募集は一時停止」とありますが。

山形 私が問い合わせた昨年夏の時点では、そのようで……ラッキーだったと思います。それで、さっそく先方と打ち合わせの運びとなりました。

ゼロからスタートした豊富町とガンダムの「つながり」

──第1弾の小田原とガンダムは、「富野監督の出身地」というつながりがありますが、豊富町とガンダムのつながりは?

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山形 それがですね、正直なところ、コレというものはないんです。観光的にも。

──豊富町の観光物産というと、豊富温泉と牛乳とサロベツ湿原ですよね。

山形 ええ。ポケふたの場合、豊富町の絵柄になったポケモンは、北海道らしい《アローラロコン》とちちうしポケモンの《ミルタンク》なので、町と関連づいているんですよ。

豊富町に設置されたポケモンのマンホール。マイナス50℃の冷気を吐く《アローラロコン》と、ちちうしポケモンの《ミルタンク》が描かれている ポケモンマンホール「ポケふた」サイトより 
©Pokémon. ©Nintendo / Creatures Inc. / GAME FREAK inc.

──でも、初代ガンダムには雪も牛も登場しませんね。

山形 そうなんです。ですから、バンダイナムコさんからご連絡をいただいたときは、小躍りしたい気分でしたが、「豊富町とガンダム」のつながりをどうプレゼンすればよいか。これは非常に悩みました。

プレゼン次第では企画自体が白紙に

──プレゼンの反応によっては、このプロジェクト自体が消えてしまうと?

山形 ええ。私たちはマンホールを寄贈される側なので、もしバンダイナムコさんが「豊富町とガンダムは結び付かない」と判断したら、この話は白紙に戻ってしまうんです。

 まずは、マンホールの絵柄を決めることにしました。すると、やりとりの中で先方から「マンホールは何枚ご希望ですか?」と聞かれまして。私は「え、『何枚』? ということは、寄贈は1枚ではない……!?(心の声)」と驚愕しました。

──山形さんとしては、「マンホールは1枚しかもらえない」と思っていたんですね。

山形 ええ。で、とっさに「とりあえず2枚!」と伝えたところ、まさかのご了解をいただいたので、課内ですぐ協議しました。

 上司はシャア専用ゲルググ、私はマスターガンダムがよいという意見だったので、非常に恐縮しつつ、先方に打診したんです。

──すると?

山形 先方からは「このプロジェクトはできるだけ多くの人にPRしたいので、2枚の絵柄は、最も有名な初代ガンダムの機体から選定したい」という回答でした。

 それなら、1枚の絵柄は絶対にガンダムだなと。しかし、そもそも豊富とガンダムは接点がないので、もう1枚をどれにすべきか迷いました。さらに、別の問題も浮上しまして……。