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「芸人の仕事が嫌いになりそうだった――」ナルシストキャラで早々にブレイクしてしまった狩野英孝が、今まで誰にも話せなかったこと

「芸人の仕事が嫌いになりそうだった――」ナルシストキャラで早々にブレイクしてしまった狩野英孝が、今まで誰にも話せなかったこと

狩野英孝インタビュー#1

2023/01/02

genre : エンタメ, 芸能

note

ナルシストキャラが生まれたきっかけはあの大ヒットマンガ

――次から次へと。ちなみに、ナルシストキャラが生まれたきっかけなどあったのでしょうか?

狩野:僕、子どもの頃から、さくらももこ先生の「ちびまる子ちゃん」が大好きで。好きすぎて、実家から上京してきたときに「ちびまる子ちゃん」を全巻持ってくるほど好きだったんですよ。

 で、芸人になって、ネタ作りの休憩中になんとなく「ちびまる子ちゃん」を読んでいたとき、ふと、よく考えたら「ちびまる子ちゃん」て、かなり長い間、愛されてる漫画だなぁって。しかも、一人一人のキャラクターが際立っていて、誰とも被ってないなぁって思ったんです。

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 その中でも、特に「花輪くん」が気になって。花輪くんって、ちょっと鼻につくようなナルシストキャラだけど(笑)、嫌われないし、むしろ周りから愛されてる……。よし! 花輪くんをイメージして1本ネタ作ってみようって。で、そのイメージでライブでやってみたら、ウケたんすよ。

©鈴木七絵/文藝春秋

――花輪くんがイメージだったのですね!

狩野:しかも、僕が何かの雑誌の取材で2、3回そのことを話したら、さくらももこ先生がその記事を読んで、知ってくださったようで。ある日、事務所に空のサイン色紙1枚と、直筆のサイン色紙と手紙が届いたんです。「花輪くんのネタで、いつも大爆笑しています。昔から、ちびまる子ちゃんを愛してくれて、ありがとうございます」みたいなことを書いてくださって、うわぁ…! って思って。続けて「うちの息子もファンなので、空の色紙を入れておくので、良かったらサインを書いてくれませんか?」みたいに書いてあったんです。もちろんすぐサインを書いて、さくらももこ事務所に送って。そしたら、後日もう一枚色紙がきて。なんだ? と思ったら「知り合いのために、もう1枚欲しい」とあって、また書いて。

©鈴木七絵/文藝春秋

 で、ちょっとしてから「ちびまる子ちゃん」を実写化するっていう話を聞いたんです。え、もしかしたら花輪くん役あるぞ……! みたいな。まる子ちゃんが成人式を迎えた段階とかで、花輪くん役のオファーあるかも……!! と思ってちょっとドキドキしてたんですけど、花輪くん役、ウエンツ瑛士さんでした(笑)。

――しかし、改めてデビューから数年でブレイクとなると、芸人の中ではどちらかというと、早く売れたほうなのでしょうか?

狩野:周りからは、25~26歳で売れるって早いよねって言われたし、実際同期の中ではかなり早い方だったとは思うんですけど……。