ナルシストキャラで一躍ブレイクし、2023年で芸歴20年を迎える狩野英孝。浮き沈みの激しい芸能界で、ここまで長きにわたり活躍が続いているのはなぜか。また、大物芸能人から可愛がられている理由は……?(全2回の1回目/前編を読む)

©鈴木七絵/文藝春秋

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なぜフェードアウトすることなく20年間生き延びたのか?

――2023年で、芸能生活20年になるとのこと。浮き沈みが激しい世界で、ここまで長く活躍が続いたのはなぜだと思いますか。

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狩野:ん~、たぶん色々あるんでしょうけど……、僕の中では、大ブレイクしてないっていうのが一個、理由としてあると思うんですよ。たとえば、「ラーメン・つけ麵・僕イケメン!」しかり、「スタッフゥー」とか。みなさん知ってはくれましたけど、流行語に入ったわけでもない。むしろかすってもない。

――今でも、記憶に残っているフレーズではありますけどね。

狩野:あと、僕らの世代って、『爆笑レッドカーペット』の影響も大きいんですよね。名も知られてない若手30~40人が番組に集められて、そこからみんな一斉に世に出ていった感じで。でも、僕ひとりだけ目立って、売れたわけじゃないし。たぶん、1年に1人くらいスターって出てくるじゃないですか。当時だと、小島よしおさんとかエド・はるみさんとか、HGさんとか……。僕はそういう感じでもありませんでした。

©鈴木七絵/文藝春秋

――歌も出されていましたよね。

狩野:CDも出してはいたんですよ。ただ、芸人だと、とんねるずさんとか、『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』でやっていた、ブラビやポケビとか。ダウンタウンさんの『明日があるさ』みたいに、特に話題にもなってないというか。大ヒットしてないんです。僕の曲ってオリコン9位とかそのあたりで、ヒットもしていないし、コケてもいない、なんか絶妙なとこいってんな……っていう(笑)。知ってる人は知ってるけど、みたいな感じで。何となく口コミで広がって、何となくフェードアウトするような。

「ビビるから、これで大丈夫かな、ホントに大丈夫かな」と思い続けて20年

――しかし、フェードアウトせずに、実際20年も活躍が続いています。

狩野:あと、もう一個の理由は、僕、ビビりなんですよ。ビビりがすご過ぎて、何度も練習しちゃうんです。何かの番組でネタをやるときも、すごくビビるから、これ、大丈夫かな? ホントに大丈夫かな……? って毎回心配。不安だから、もう一回練習しよう。これでいいのか? いや、やっぱりこっちで入れ替えてみようとか、ギリギリまで悩んじゃってる。

 あと、番組から「このトークテーマで話してくださいね」って言われるときもそう。事前に番組のアンケートも書いてあるし、自分が話す内容は準備できてるんですよ。でも、やっぱり不安で。後輩を呼んでご飯を食べながら、「この前のさぁ~」とか、ネタの練習に付き合ってもらったりして。やっちゃうんすよね~、練習を。