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 しかし、上沼恵美子さんに可愛がって頂き、当時、やしきたかじんさんの番組にもすごく出させて頂いて。なんだろう……。なんなんすかね~。ん~、大物芸能人とか、いわゆる大御所の方々に会うと、みんな緊張するだろうなって思うじゃないですか。もちろん僕も緊張するんですけど。でも、それよりも好きの方が勝っちゃうんすよね。ホント、テレビっ子だったので、本人を見たときにまず「嬉しい!」っていう。一般の方々と同じような感覚かな。わ! ウッチャンナンチャンだ。松ちゃんだ! 浜ちゃんだ! とか、(石橋)貴さん(木梨)憲さんだ!っていう気持ちの方が強い。もちろん、多少緊張はしますよ。でも「えみちゃんだ!」の方が、俺大きくって。

 普通のまともな芸人さんは、打ち上げでも緊張するから、ここはちょっと距離とっておこうとかあると思うんです。でも、俺ガッツリ隣に座っちゃうんすよ。隣でご飯を食べられるなんて!っていう嬉しさの方が勝っちゃう。

――そういう気持ちが伝わると、先輩の方々も嬉しいでしょうね。

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狩野:だといいんですけど。意外と、上沼さんとか、隣に座らせてもらった先輩から言われたことはないんですが、周りの芸人さんから言われます。「お前、あれ失礼だぞ。気をつけろよ!」って。

©鈴木七絵/文藝春秋

(島田)紳助さんのときも、「うわ! 紳助さんだ!」みたいな感じでグイグイいってたけど、まわりから、後から「お前紙一重だよ」とか言われたりして。

 今となっては、ハーフタレントの人とか、キャラクターによっては大御所の人とタメ語が許されてるみたいな感じもあるんでしょうけど、自分は好きだからグイグイいけたみたいな。

――また、大物芸能人以外でも、YouTubeなど拝見していると、スタッフさんたちとも仲が良さそうです。

狩野:この考え方が、どうなのかわかんないんすけど……。

 視聴者の方々を楽しまそうっていう気持ちは、もちろんあるんですよ。ただ、それ以上に現場でスタッフさんに面白いって思われたい。お茶の間の皆さんより、まず現場にウケたい!みたいな気持ちがすごいあるんです。ロンブー淳さんにウケたい。有吉さんを笑わせたいとか、さんまさんが大爆笑してくれるのが嬉しい。カメラさんが笑って、カメラ揺れてるときとか、すごく嬉しいですよね。

©鈴木七絵/文藝春秋

ビビりだから思う、若手芸人に対して心配してしまうこと

――2023年で芸能生活20年とのことですが、仕事や生活で変化ありましたか?

狩野:20周年だからっていうのは特になくて。逆に、今この取材受けて、あ、20周年なんだって思うというか。芸歴20年だからこうしようとかじゃなくて、若手魂のままやっていたら、気づいたら30年だ……!って。これからもそんな風になれたらいいなって思います。

 あと、結婚して生活が大きく変わったっていうのもないし。体をはるような仕事も変わらずやってて、周りも応援してくれるんで、それはありがたくチャレンジしていきたいなって思いますね。