柊 千尋のお姉さん的存在だった「リン」さん役の玉井夕海さんとは、連絡先を交換して、しばらくメールのやりとりをしていました。
あとは、湯婆婆の子ども「坊」役のりゅうちゃん(神木隆之介さん)は所属事務所が同じだったので、映画のアフレコ以外でもラジオや番宣で共演する時間が多くて。当時はよくお話ししていましたね。
――映画出演時の神木さんは、まだ7歳でしたよね。
柊 当時りゅうちゃんは爆笑問題さんが出ていた永谷園の「そ・ば・め・し・ふりかけそばばばーん」ってCMにはまっていて、よく真似して踊っていたんですよ。それが本当に可愛かった!
映画公開後は自分の声が大音量で流れて恥ずかしかった
――『千と千尋の神隠し』は公開後、空前の大ヒットを記録することとなります。当時はその実感がありましたか?
柊 ヒットしているとは思っていたけど、実感がないというか。オーディションに受かったときと同じように、「すごいことが起きているんだな」と他人事のように捉えていたかもしれません。
――映画館には観に行かれたんですか?
柊 友達と1回、あとは家族とも1回観に行きましたね。どちらも館内は満員で、「本当にたくさんの人が観てくれているんだな」と嬉しく思う反面、自分の声が大音量で流れるのがすごく恥ずかしくて。あまり内容が入ってこなかったです。
映画が終わったあとに友達や家族が「面白かった」「すごいね」と言ってくれても、「まあまあ、そんなことよりさ~」って話をそらしたりしていました。
――恥ずかしさで映画の内容や評判を直視できなかった、と。
柊 そうなんです。それもあって、公開後もなかなか自分ごとにできなかった。でも、周りの私に対する反応は公開前と明らかに違うから、戸惑うこともありました。