文春オンライン

“鉄道では行くことができない最大の街”「鹿屋」には何がある?

南の南へ#2

2023/01/16

genre : ライフ, , 歴史, 社会

note

 これまた全国の地方都市と同じ運命、経営難に苦しんだ末に1994年に店を閉じ、2005年に取り壊されて駐車場に生まれ変わった。桜デパートの取り壊しは、中心市街地活性化のための再開発に基づくものだった。

 

 いずれにしても、国道沿いの商店街も北田町交差点も、中心市街地が賑わっていた時代の面影をわずかに残しつつ、正直にいえば寂れた雰囲気が濃厚に漂う。鉄道がない街とは、こういうことなのか……。

路地裏に入るとちょっとすごすぎる数のスナックが!

 そう思いつつ、国道沿いの商店街から一本路地に入って裏道に出る。すると、そこにはおびただしいほどのスナックが建ち並んでいた。

ADVERTISEMENT

 1軒や2軒ではなく、10軒20軒どころではなく、もっともっとたくさんのスナックが細い道筋にギッシリと。スナック長屋のようになっているところもあれば、雑居ビルまるごとスナックになっているところもある。

 

 さらに一本裏に入って川沿いに出ても、こちらもスナックばかりの歓楽街。南九州は、酒を飲むといったら居酒屋ではなく1軒目からスナックという文化が定着しているという。それに鹿屋は観光都市という面はあまりないから、地元の名物を食わせる観光客向けの居酒屋も必要ない。

 だからなのか、鹿屋の中心市街地の商店街の裏は、とてつもないスナック街になっているのだ。訪れたのは昼下がりだから営業している店はほとんどない。これが夜になれば、ネオンが煌めく街になるのだろうか。