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 実際には、鹿児島中央駅から2時間ほどのバスや、鹿児島空港から1時間ほどのバスもある。超のつくローカル線だが日南線という日向灘沿いをゆく路線の終着駅・志布志から1時間ちょっとバスに乗る手もある。

 が、今回は宮崎駅前に前泊し、都城駅からバスに乗ることにした。所要時間は1時間40分。だいぶ厳しい旅である。都城経由を選んだ理由は、とくにない。

宮崎から4時間…バス停にたどり着いたら「あれ、この人は…」

 そうしたわけで、宮崎から実に4時間ほどかけて、ようやく鹿屋にやってきた。降りたバス停は、そのままのお名前の「鹿屋」という。何やら立派な大通りが交わる交差点に位置していて、バス停の脇には「リナシティかのや」という大きな施設が建っている。商業施設のようでいてそうでもなく、あれこれはいっている市民交流施設のようだ。

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 リナシティの壁面には、なんだかどこぞのコンサルタントかインフルエンサーか、かっこつけたポーズのお兄さんのポスターがずらり。「KANOYeah!CITY」などとキャッチコピーが大書され、お兄さんのお名前は池崎慧……。あれ、いつもテレビで見ているイメージとはまったく違うけど、サンシャイン池崎さんじゃないですか。どうやら鹿屋出身で、鹿屋のPRポスターに出演している、ということなのであろう。

 

 サンシャインさんはさておき、鹿屋バス停とリナシティかのやがある交差点は、国道269号と国道504号が交わる交通の要衝だ。

 東西南北で現すならば、交差点の北東側にリナシティ、南西側にはハローワーク。リナシティの向かいには駐車場があって、西側には小さな商店街がある。九州に来たことを実感させてくれるファミレス、ジョイフルの看板も見える。

 人通りが多いというわけではないが、まったくいないわけでもない。国道の交わる交差点だからクルマ通りは文句なし。きっと、このあたりは鹿屋の中心市街地の一角ということで問題ないのであろう。

鉄道がない街の人々の暮らしを支えるもの

「北田町」と名付けられたこの交差点から東側を見る。リナシティのすぐ東には肝属川が流れ、その先には国道沿いにいくらか規模の大きそうな商店街が見える。肝属川というそれほど大きくはない川の周囲に、鹿屋の市街地は広がっているのだろうか。

 

 川を渡ってすぐのところに鹿児島銀行鹿屋支店。地場の地銀の支店がある場所は、地域でいちばんの一等地というのが相場だから、間違ってはいないはずだ。

 そうして国道269号を歩き、商店街の中をゆく。人口10万都市の中心市街地の商店街だから、さぞや賑やか……なわけはなかった。