釣具屋でこんな釣具を見たことはないだろうか。
実はこれ、弓角と言われる漁具で、もともとは曳き釣り(トローリング)で青物や回遊魚を釣るために生まれたもの。釣具の進化とともに形を変えてはいるが、歴史の長い伝統漁具である。
漁業から生まれた弓角とは一体何なのか?
釣具屋を徘徊していても、ルアーや堤防釣りコーナーといったメインストリームの売り場ではお目にかかれず隅っこに置いてある印象だが、最近これが品薄で手に入らない状態になっている。
海釣り公園や堤防などのオカッパリから青物が爆釣するアイテムとして認知度が広がっているのだ。今回は「最終兵器」の異名を持つ弓角について紹介する。
弓角の起源は、動物の角やアワビの貝などを削って作られた日本古来の和製ルアーで、現在では合成樹脂で作られるようになっている。青物が釣れるとはいえ、弓角自体は軽いため単体で遠投することはできない。
鉛でできたメタルジグや自重を持つプラグルアーよりも圧倒的な扱いづらさがあるものの、この特徴こそ弓角にしかない爆釣をもたらす理由でもある。
弓角の魅力とは?
とにかく釣れることが間違いなく魅力なのだが、弓角が他のルアーを凌ぎ絶大な釣魚力を発揮する場面は下記の2点だ。
(1)対象魚が小さなベイトを捕食している時
ルアー釣りには「マッチ・ザ・ベイト」という概念があり、簡単に説明すると「対象魚が捕食している餌と同じ大きさや動きをしたルアーを使えば釣りやすくなる」という考え方だ。
イワシやキビナゴを捕食していればメタルジグやミノーで釣れるのだが、シラスやボラの稚魚であるハクのような5cmに満たないベイトの集合体(マイクロベイトパターン)に対しては、フォルムの大きなルアーをいくら投げても魚に見切られてしまう。