文春オンライン
伝統漁具から進化した「弓角」が、堤防から投げると青物が入れ食いになる“チートルアー”だった

伝統漁具から進化した「弓角」が、堤防から投げると青物が入れ食いになる“チートルアー”だった

note

 青物を狙ったことがある方なら一度は泣かされたであろう悶絶パターンこそ、小さな弓角は唯一無二となる存在だ。特にカツオやサバ、ワカシなどの回遊魚はシラスを追って接岸することが多いので弓角の独壇場になる。

シラスを追ったブリの幼魚が入れ食いに

 小さなルアーで良いなら2cmほどのジグやプラグといったメバルやカマス専用の小型ルアーが販売されているが、対象魚が大きくなると針にかかっても曲げられたり、そもそも遠投できないため勝負にならない可能性が高い。対して弓角は大物が釣れることを前提とした太軸の針が内蔵されており、単体で投げられない代わりに「トレーラー」を用いて遠投することが可能だ。

青物にも耐える太軸の針

(2)表層で捕食が行われている時
 状況としては(1)で述べたマイクロベイトパターンの特徴でもあるが、表層(海面)でフィッシュイーターの捕食が行われている時は、ルアーも表層を巻いてベイトと同調させる必要がある。

ADVERTISEMENT

ワカシに追われるシラスのナブラ

 弓角は遠投マウス(後ほど紹介するトレーラー)で遠投して海面を逃げ惑うベイトを演出することができるので、もっともマイクロベイトパターンにコミットした釣法ともいえる。また樹脂製であるゆえに光を透過して、シラスや透明感のある稚魚に限りなく見た目を寄せられるので青物が好反応を示すのも頷ける。

角や貝では表現できないクリアカラーが多い

軽い弓角を投げるための「遠投マウス」

 代表的な方法と私がこれまで釣果をだしたコンセプト釣法を合わせて紹介する。

名の通りネズミの形をしている

 遠投マウスは、弓角のトレーラーとしてもっともメジャーなアイテム。ピンク(フローティングタイプ10号、20号)とイエロー(シンキングタイプ15号、25号)があり、表層でマイクロベイトを捕食している青物にはフローティングタイプで狙う。