小山「四段昇段を決めてから多くのお祝いをいただきましたが、昇段の実感はまださほどなく、少しずつ感じているという状況です。この間にも公式戦(3月20日の新人王戦、対石本さくら女流二段戦)を指す機会があり、その勉強のためにあまり羽目を外さないようにという意識がありました」
森本「色々な方にお祝いをしていただいて、実感がわいてきました。師匠からは(7番手だから)上がれると思っていなかったと言われましたが、ホッとしたとも。ここからがスタートラインだとハッパを掛けられました」
柵木「親しい棋士や地元の方にお祝いをしてもらって、うれしく思うと同時にここからが本当の勝負だという意識が強くなりました」
14回戦で兄弟子に勝ったのが大きかった
――混戦となった今期の三段リーグ、ターニングポイントはどこにあったのでしょうか。
小山「早いうちに4敗して、昇段を争う状況ではありませんでしたが、13、14回戦で片山三段と柵木三段に勝てればまだ可能性はあるかなと。実際、その対局に2連勝できてから芽が出てきたのかなと思います。リーグ開始からこの2局は山場になるかと思っていました」
森本「1勝3敗スタートで、今期は上がれないと思っていましたが、14回戦で貫島さん(永州三段)に勝ったのが大きかったです。これまで負け越していた兄弟子で、リーグ表ができた時点から、ここが大きなポイントになると思っていました」
柵木「16回戦が持将棋で、その指し直しは17回戦を指した後でした。17回戦を負けてからの指し直し局を勝てたことで、いい状態で最終日に臨めたのが大きかったと思います」
「負けないように頑張りたい」
――今回の三段リーグは、リーグ後半を迎えた時点で、同時に小山怜央さんの棋士編入試験が行われており、史上初めて奨励会を経ずにプロ入りしたことが話題となりました。小山さんのプロ入りをどのようにみていましたか。
小山「悔しかったの一言ですね。自分より先に上がられたこともそうですし、自分が強敵とみていた徳田さんと岡部さんが(試験で)負かされたこともあります」
森本「徳田さんに勝った時に、プロになるんだな、とは思っていましたが、戦場が違うこともあり、どこか他人事のようにみていました」
柵木「小山さんと直接の面識はありませんが、ネット将棋を指しておりいい勝負でした。小山さんが試験で2連勝した時に、なら自分もプロになれるんじゃないかな、という意識が出てきました。同じくフリークラスの新四段なので、負けないように頑張りたいですね」
小山怜央新四段も含め、これからの新四段4人の活躍に期待したい。
写真=相崎修司