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 ちなみに借金やいらない不動産があったら相続放棄してしまえば、と考えがちですが、相続放棄をすると、預貯金などすべての財産の相続を放棄することになります。相続に関する権利をすべて放棄することになりますので、自分の子供や孫(代襲相続人)に権利が移転することもなくなります。

 ただ、相続人である子供全員が相続放棄すると、直系尊属である父母が相続人となります。父母が拒否すると兄弟姉妹が相続人となりますので注意が必要です。

介護についても取り決めを

 また介護についてもある程度取り決めをしておいたほうがよいでしょう。どのような状態になったら施設に入所するか、その場合はどの程度のグレードのところにするかなど、具体的に希望を伝えておくと子供が苦労しません。

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 家の片づけ、断捨離は、元気なうちに親が自分の手でやっておくことです。老老相続などに直面すると、すでに高齢者になった子供にとっては大変な重労働です。必要なものだけを残し、あとはきれいさっぱり。なかなか「言うは易く行うは難し」ですが準備しておきたいものです。

 意外と子供が知らないのが、親が付き合っている人間関係です。最近は親戚筋などとも昔のように密な付き合いがありません。葬儀のときなどに突然現れて誰だかわからない、葬儀をお伝えすべき人に伝えていなかった、などという失礼なことのないようにしたいものです。

家族全体の指針を一つにしていくことが必要

 また、親だけが付き合っている医者、弁護士、税理士、ファイナンシャル・プランナーなどの連絡先を知る、できれば一度会っておくと相続時などに慌てずに済みます。

 会議はなかなか一度では方向性が定まらないかもしれません。一度話し合って互いに持ち帰り後日あらためて話す。特に争いになりそうな部分、介護は誰がやる、現預金はどうする、不動産は、などそれぞれが一度冷静になって考え、家族全体の指針、方向性を一つにしていくことが必要でしょう。親子会議は家族にとって必須の会議なのです。