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駅南西にある御船山という山は、江戸時代まで武雄鍋島氏という佐賀藩主家の鍋島氏の分家の居城があったという。その麓には文化会館やゆめタウン、そしてそう……図書館がある。
ここにやってきて思いだしました。武雄は10年ほど前に“ツタヤ図書館”で全国に名を轟かせた町なのだ。御船山の麓、ゆめタウンの真向かいに鎮座する武雄市図書館・歴史資料館は、まさにそのものである。
今回は別にここでツタヤ図書館の是非をどうこう語るつもりはないし、いまや海老名や和歌山、徳山など全国あちこちに広がっている。が、まあせっかくの機会なので、と中に足を踏み入れてみた。
武雄のツタヤ図書館、確かになかなかオシャレな図書館だ。図書館なのかオシャレ書店なのかカフェなのか、はたまたそのすべてなのか。その辺が絶妙に曖昧なのがいいのだろう。館内にはなかなか多くの市民がいて活気づいていた。
書棚のあたりも歩いてみたが、いかにも図書館です、といった本が並んでいるわけではなくて、ぱっと目に入るのは「エクセル2010マニュアル」や「大学受験案内2017」など。いっぽうで、一般的な図書館や古書店などにはなさそうな、でもこういうの好きな人、いるよね、というようなデザイン関係の本が並んでいたり。人生いろいろ、図書館もいろいろ、なのだろう。
「そう、駅名の通り、武雄温泉駅は温泉街なのである」
図書館を後にして、武雄神社の脇の道からふたたび市街地に向かって緩やかな坂道を下ってゆく。