気持ち的にはどれも大賞だけど、ひとつ選ぶならば…
――名人戦のYouTube中継がすっかり定着した感じがありますね。
遠山 そうですね。ただ、そもそも名人戦のスポンサーなわけですよね。YouTubeのほうがすごいってことは、ちょっと違うかもしれませんが(笑)。
――こういった応援をしてくださる企業や自治体には、どういった思いがありますか。
深浦 将棋界は、たくさんの企業や自治体、メディアの方々に支えられているということを、観る将の方たちが、投票してくださったのは本当に嬉しいことですよね。ただ、これひとつに絞れないっていうか……(笑)。
遠山 そうですね。我々には選べないですね。どこにもお世話になっているわけですから。
――では、気持ち的にはどれも大賞だけど、ひとつ選ぶならば投票が多かったところでよろしいでしょうか。
深浦 それがいいですね。
――では、今年度のベストサポーター賞はABEMAさんとさせていただきます!
受賞の言葉(株式会社AbemaTV総合編成本部スポーツエンタメ局・塚本泰隆局長):
「まだまだ将棋を放送させていただく歴史が浅い『ABEMA』にこのような賞をいただき、大変恐縮であるとともに、非常にうれしく思います。
『将棋チャンネル』がスタートして以降、“将棋を観て楽しむという文化の間口を広げたい”という一心で、様々な対局企画や、中継などを行ってまいりました。新しいチャレンジも多く、棋士の皆様をはじめ、将棋連盟様、関係者の皆様のご協力なしには、なしえないことばかりです。本当にいつもありがとうございます。
支持してくださったファンの方、そしてこの賞に恥じぬよう、今後も『ABEMA』の将棋チャンネルをお楽しみいただけるように、努力を重ねてまいりたいと思います」
深浦師匠は弟子の対戦結果にそわそわ
こうして8部門を発表した「観る将アワード2022/2023」。今回もアンケートご投票いただいたみなさん本当にありがとうございました。また来年も開催されると思いますので、今年度の名局や名言、名シーンなどご記憶いただき、また投票いただければ幸いです。
なお、このイベントがあった4月20日は、深浦九段のお弟子さんの佐々木大地七段が棋聖戦決勝トーナメントの準決勝を渡辺明名人と戦っておられました。深浦師匠も我々もずっと結果が気になっていたのですが、イベントが終わったとき、会場の方がマルのサインを出してくださり、そのときのなんとも嬉しそうな師匠の笑顔が印象的でした。
そしてその4日後、佐々木大地七段は、決勝で永瀬拓矢王座に勝ち、初めてのタイトル挑戦を決めたのです(その後、王位戦挑戦者決定戦でも羽生善治九段を破り、“夏の十二番勝負”が実現した)。弟子が初めてタイトルに挑戦する気持ちはどういったものでしょうか。そしてタイトル戦を見守る気持ちはいかに――。来年の観る将アワードでお聞きするのが、今からとても楽しみです。