〈あらすじ〉

 長らく執筆から遠ざかっている著名作家のキム・ジュニ(イ・ヘヨン)が、ソウルから少し離れた閑静な町を訪れる。そこで小さな書店を営む後輩との再会を果たしたあと、町をそぞろ歩きしていると、ジュニは、第一線を退いた人気女優のギルス(キム・ミニ)と偶然出会う。二人は初対面だが意気投合し、お互いが抱える迷いを分かち合う。そしてジュニはギルスを主役に短編映画を撮りたいと提案する。

〈解説〉

 ホン・サンス監督の『あなたの顔の前に』に続く長編第27作。成功したが人生に迷う2人の女性が、新たな可能性に向かって一歩を踏み出す姿を描く。第72回ベルリン国際映画祭で、3年連続4度目の銀熊賞(審査員大賞)を受賞。92分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆有名作家と先が読めず不安な女優。それぞれの心境。日常的場面が妙に胸に沁む。モノクロからカラーへの変化も効果的。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆話を煮立てはしないのに、火力を急に強める瞬間がたまに訪れる。その手際が絶妙で、呼吸を和らげる持ち味が逆に深まる。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★☆☆昭和の新宿ゴールデン街っぽい会話があり、今回もホン・サンス監督のキム・ミニへの愛が強力に伝わる、しつこいほど。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★★マルチバースの如き繋がりを示すホン・サンス監督の作品群。今回は映画作りにまつわる率直なエッセー。やはり絶品。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★★映画の性質が美しく反映されている。可視化或いは不可視なるものの静かな存在の証拠、その反復を繰り返し観たくなる。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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INFORMATION

『小説家の映画』(韓国)
6月30日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
https://mimosafilms.com/hongsangsoo/