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「いろいろ言ってごめんな」

「うん、私も言い過ぎた、ごめんね」

 まるでケンカした後の彼氏と彼女の会話だ(苦笑)。

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「しかし、寒いね……どうする?」

「わかった。帰るよ」

 トシがようやく言ってくれた。

「帰ってラーメン食べよう」

 かつて母が諦めずに私を探し続けたように、私も諦めなかった。

 私はわずか5時間だったが、母は何日も何ヶ月も私を探し続けた……しんどかったんだろう。そこに確かな愛情があったことを改めて感じた。

 学校からの呼び出し、家出……自分がやったことは自分に返ってくる。しみじみとそう思う出来事であった。

殴った代償

 学校からまた呼び出しがあった。今度は中学2年になったトシが、1こ下の後輩を殴ってしまったらしい。

「生意気な口を聞いてきたから一発やっただけだよ」とトシは開き直っていた。反省してなかった。先生からも叱られたが、反発してしまっている状態だ。

 事情を聞いた私は、トシには何も言わず

「相手の方の怪我はどうですか? これから謝罪に行きたいのですが、住所教えてください」

「じゃ、お母さん一緒に行きましょう」

 先生も一緒に行ってくれることになった。

16歳でレディースを立ち上げ、かつてカリスマとして君臨したかおりさんの現在の様子(写真:筆者提供)

「ほら、トシも行くよ」

 2名の先生とトシ、私の4人で向かった。

 相手の方のお家に上がらせてもらうと、私はすぐさま土下座をして謝った。

「大変申し訳ありませんでした。このたびは息子が手をあげてしまって、〇〇くんを傷つけてしまってすみませんでした」

 トシが私の行動を見てキョトンとしてる。

「おい、母親に土下座をさせて、お前はなんでそこでつっ立ってんだ」

 少し強面な感じの〇〇くんのおじいちゃんがトシにそう言った。

 慌ててトシは土下座をして「すみませんでした」と謝罪をした。