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230万都市の玄関口「名古屋」の“駅裏”に迫る大変革
いまのいくらか猥雑な雰囲気は、そうした時代の名残を留めているともいえる。ただ、さすがに今の時代に倶利伽羅紋々もないわけで、歩くと危険、などということはまったくない。むしろ駅前で気軽に名古屋らしさを味わえる庶民的ないい町になっている、といったほうがいいだろう。
それに、いまの名古屋駅西口は工事の真っ最中である。ところどころに工事の仮囲いが設けられていて、その中では中央新幹線、つまりリニアの工事が進められている。
リニアが品川から名古屋まで開通する暁には、どうやら名古屋駅西口側の地下に駅が設けられるようだ。そうなれば、“駅裏”などと揶揄されたこともある西口の雰囲気は、まったく変わることになる。
桜通口に降り立てば、すっかり中心市街地としての風格を漂わせるビル群の中へ。その奥には昔ながらの市場町もある。反対に太閤通口は、“駅裏”時代の香りをほんのわずかに残しつつ、目下リニアの工事中。そして、それらの地下には広大な地下街が広がる。
230万都市・名古屋の玄関口は、ただの玄関口というのにとどまらない、実に多様な姿を見せてくれるターミナル。いまやすっかり、名古屋の中心、押しも押されもせぬ顔になった。尾張名古屋は城で持つ、は昔の話で、いまは尾張名古屋は名駅で持つ、のかもしれない。
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