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「かけそば」380円のうまさにびっくり、でも店はガラガラ…最寄り駅から徒歩20分、草加市にできた「ポツンと一軒そば屋」は生き残れるか?

2024/05/07

genre : ライフ, グルメ,

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「かけそば」と「旬の天ぷら」が登場

 そうこうしているうちに、「かけそば」に「旬の天ぷら」の「春ピーマン新玉ねぎのせ」が登場した。

「かけそば」に「春ピーマン新玉ねぎのせ」
「かけそば」に「春ピーマン新玉ねぎのせ」をオン
このやや太めの近隣の製麺所のそばが秀逸だ

「春ピーマン新玉ねぎのせ」はうつわにしたピーマンに新玉ねぎをのせて揚げたタイプ。なかなかユニークだ。たっぷりのつゆにそばが泳ぎ、その上に天ぷらをのせて食べていく。まず、つゆをひとくち。鰹節と昆布を使った上品で滋味深い味である。これはうまい。店主によれば「つゆの出汁のバランスがなかなか難しい」とのこと。いやいやかなり高得点だ。

 そしてそばは近隣の製麺所の茹で麺である。やや太めでコシもある。大好きな麺である。そして「春ピーマン新玉ねぎのせ」は揚げ立てで新玉ねぎがあまくアツアツである。全体のバランスがよい一品である。

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「肉そば」と「れんこん」も秀逸

 友人の「肉そば」と「れんこん」もなかなかのビジュアルである。トロトロに煮込まれたねぎと厚い豚バラが抜群に合うとか。「肉そば」で初めからこの厚肉を使うとはセンスがよい。「れんこん」もアツアツでシャキっとした食感がナイスだとか。

友人の「肉そば」はトロトロの厚肉とねぎがのる
揚げ立て「れんこん」の天ぷら
厚肉は食べ応えあり

追加の春菊天はつゆにのせるとジュワッと

 あっという間に食べてしまったので、「冷しの春菊天そば」を追加注文した。するとまたすぐに「春菊天」を揚げ始めた。待つこと3分。「冷たいかけそば」と別皿の「春菊天」が登場した。「春菊天」は刻んでかき揚げ状にしたタイプ。それを「冷たいかけそば」にのせるとジュワッと油とつゆがはじける音が店内に響く。まさに揚げ立て天ぷらの美学である。冷たいそばもコシがあってなかなかよい。

「冷しの春菊天そば」を追加注文
「冷たいかけそば」にのせるとジュワッと音が響く

オープンから店主の奮闘は続くのだが…

 まだオープンして2ヵ月も経っていない店だがよい味を提供している。天ぷらは揚げ立てだし、つゆもうまい。お客さんはずいぶん訪れているのではと思い聞いてみると、店主は「それがかなり厳しい営業状況だ」と教えてくれた。