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“海の向こう”との関係で浮かび上がる「瀬戸内の島」
小佐木島の波止場に立って、海を見る。向こう側には小佐木島の数倍はある佐木島が浮かぶ。小佐木島の子どもたちは、船で佐木島の小学校に通っていたという。そして、中学・高校と進学すると本土の学校へ。毎日船で通うのが大変だとなれば、少しずつ島から去ってしまい、住民が減っていった。
観光客が大挙してやってくるような島ではない。何があるのか、と問われれば、何もない。でも、そこに価値がある。こうした島が紡いできた歴史と文化を守り、つないでゆく。すぐに結果は出なくても、地道な一歩を刻んでいくことが大切なのだろう。少なくとも、小佐木島にはそれだけの魅力がある。遠く、都会に暮らす人たちが「瀬戸内の島」と言われてイメージするままの小さな島である。
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