あと、ネットを見るのを嫌がってましたね。家のリビングにパソコンが置いてあったんですけど、母はWi-Fiルーターに刺さってるカードを抜いて、どこかに隠してから出かけちゃったりするんですよ。隠しているカードを探し出してネットを見てたんですけど、バレちゃって。それから母は、カードを持って出かけるようになって。
BL小説や漫画が見つかり、母から「庭で燃やしなさい」と…
――ちょっとした攻防が。
桃戸 ありましたね。あと、私は腐女子だったんですけど、高校の時に私が持っていたBLの小説とか漫画を母が見つけて。母から「庭で燃やしなさい」って言われて、見つかるたびに自分のBLの本で焚き火をしてました(笑)。ときどき、バーベキューセットを使って燃やしたりもしましたけど。
――それ、アイデンティティがどうにかなりませんでしたか。
桃戸 キツいと言えば、キツかったですね。私が好きなものが、けっこう制限されてたところがあったので。ただ、性に対して厳しかったので、見つかったら捨てられるなり、なにかされるなと構えてはいました。
――漫画で、そうした描写があると……。
桃戸 読ませてもらえなかった。母の前で漫画を読んでたり、アニメを見てたりして、そういったシーンが出てくると一気に気まずい雰囲気になりましたね。漫画雑誌で許されていたのは『ちゃお』までで、それ以上は買ってもらえなかった。でも、学校のみんなで貸し借りして読んでましたけど(笑)。
漫画を持ってきちゃいけない学校だったので、ベストの下に隠してたりして持ち寄って。で、アイコンタクトを取って、ササッと交換するんです。
通っていた学校って、いわゆるお嬢様学校だったんですけど、私以外にもそういう子がわりと多かったですね。自由にやらせてもらえてる子は、少なかったかな。
洋服や水着についても口を出すようになっていた
――ほかに、お母さんが厳しかったものは。
桃戸 洋服と水着はうるさかったですね。ちょっと肌が多めに出ている感じだとダメで。大学に入って間もない頃に、みんなで海に行くからって水着を買ったときも「あんまり派手なのはダメ」みたいなことを言われた記憶が。あと、「買ってきた洋服を見せて」ってチェックされたこともありますね。
髪も厳しかったですね。子供の頃、ずっと髪をおろしたかったんだけど、おろさせてもらえなくて、2つ結びだけとか。